タレントマネジメント製品紹介【第12回】
3300社採用の東芝「Generalist」、タレントマネジメント強化の方向性は
国内大手企業を中心に多くの採用実績を持つ東芝ソリューションの「Generalist」。ユーザー企業からの要望を受けてタレントマネジメント機能の強化を急いでいる。先行する海外製品との違いは。
東芝ソリューションが提供する「Generalist」は、国内の大手企業を中心に約3300社の導入実績を持つ人材管理パッケージ。6つの機能モジュールによって構成され、それぞれがカバーする領域によって大きく以下の3つに分けられる。
領域の1つが人事管理や給与計算、就業管理といった一般的な人事業務の支援である。「Generalist HR/PR」(人事・給与)と「Generalist TM」(就業管理)の2つのモジュールがこの領域を担う。これらのモジュールは、Generalistが提供する人材管理機能全体の中核を担うと同時に、最も早くから提供が開始されたモジュールで、東芝グループの大手顧客企業を中心に多くのユーザーを持つ。
2つ目が人材教育・育成の取り組みの支援で、「Generalist LM」(教育管理・eラーニング)と「Generalist CM」(人材育成)の2つのモジュールがこの領域の機能を提供する。
3つ目の領域が目標管理や人材評価。「Generalist MO」(目標管理)と「Generalist CS」(人材評価)の2つのモジュールがこの領域に属する。近年注目を集めるタレントマネジメントに関係する機能の多くが、これらのモジュールによって提供される。
東芝ソリューションでは、日本オラクルとの協業によるタレントマネジメントのソリューション提供にも取り組んでいる。これは、日本オラクルが提供するタレントマネジメント製品「Oracle Fusion HCM」とGeneralist HR/PRを連携させることで、タレントマネジメントを包括した統合人材管理ソリューションを実現するというものだ(関連記事:“作らないERP”を目指す「Oracle Fusion Apps」、その提供モデルは?)。
一方、同社ではGeneralist自体のタレントマネジメント機能の強化も着々と進めている。東芝ソリューション 製造・産業・社会インフラソリューション事業部 業務ソリューション技術部 HRMソリューション技術担当 主務 三田村 律子氏によれば、ここ数年の間で、タレントマネジメントに関する同社への問い合わせが目に見えて増えてきているという。
「従来の商談は、単なる人事システムの更改がほとんどだった。だが最近はそれだけにとどまらず、タレントマネジメントをキーワードに、スキル可視化や目標管理などのソリューションも含めてトータルで提案してほしいという依頼がとても多い。その背景には、グローバル化やM&A、多角化といった経営環境の変化に応じて事業戦略を立てたものの、なかなか実績が得られないという企業の悩みが透けて見える。そこで、人事面で新たな施策を打つことで、局面を打開したいという期待がタレントマネジメントに寄せられているのではないかと見ている」
日本企業にマッチした機能を提供
Generalistでは、複数のモジュールにわたってタレントマネジメントの各種機能が実装されている。ここでは、その代表的なものを幾つか紹介する。
例えば、コンピテンシー(高業績者の行動特性)評価。Generalist CSでは、コンピテンシーを基準に人材評価が行える他、スキルを基準にした評価を組み合わせ、コンピテンシーとスキルの両面から多面的に人材を評価できる機能が含まれている。また、これらの評価をベースにして行われる人材評価の業務フロー、具体的には自己評価から上長評価、人事部門による最終調整に至るまでの一連のワークフローを自動実行する機能も備えている。
こうして確定した評価の情報は、自動的にGeneralistの統合人材データベースに反映され、他のモジュール、例えばGeneralist HR/PRによる人事・給与業務や、Generalist CMによる人材育成施策とシームレスに連携できるようになっている。
また、Generalist CMの機能の1つとして、キャリアマップの機能も提供されている。社員1人ひとりが、自身の現時点でのキャリアレベルをキャリアマップ上で確認し、強み・弱みやキャリアプランとのギャップを自ら確認できるようになっており、社員の効率的なキャリアアップを支援する。
同時に、こうして可視化されたギャップを埋めるためのトレーニングや資格取得などの計画・実行を管理することもできる。さらに、その結果を評価した上で、次の段階のキャリア育成計画を検討する機能も提供している。例えば、人事部門やマネジャーが組織内のスキル分布状況を一目で把握できるスキルマップ機能もその1つだ。このようにGeneralist CMには、人材育成のPDCAサイクルを回すための一通りの機能が備わっている。
GeneralistにはBI(ビジネスインテリジェンス)機能も備わっており、統合人材データベースからさまざまな切り口で人材情報を検索できるようになっている。タレントマネジメント製品で言えば、「スキル検索」に相当する機能だ。
Generalistは2013年春に予定されているバージョンアップで、海外製のタレントマネジメント製品の多くが備えるサクセッションプランニング(後継者育成計画)の機能にも対応するという。ただしその使われ方は、海外製品の機能とはかなり異なる形になることを想定していると三田村氏は話す。
「日本企業は海外の企業と異なり、人の出入りが少ないため、人材育成の計画も『今いる人材をいかにレベルアップするか』に主眼が置かれる。海外企業のサクセッションプランでは、あらかじめそのポジションで必要なスキルセットを定義しておき、それに合致する人材を社内外から登用するやり方が一般的だ。だが、日本ではスキルセット以前に、あらかじめ社内で候補者が挙げられていることが多い。Generalistにも、そうした日本企業の慣習を前提とした実践的な機能を実装したいと考えている」
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