IT資産管理製品紹介【第4回】
変化するインフラの構成/資産情報を一元管理できるNEC「WebSAM AssetSuite」
国内シェア上位のIT資産管理製品ベンダーを取材する本連載。今回はシステム運用管理の観点からIT資産管理の機能向上を追求したNEC「WebSAM AssetSuite」を紹介する。
NECは統合運用管理製品「NEC WebSAM」シリーズの1製品として、IT資産管理ソフトウェア「WebSAM AssetSuite Ver.3.2」(以下、WebSAM AssetSuite)を2011年8月から提供している。各IT資産の情報とシステム構成情報をひも付けて管理できるなど、運用管理の確実化にフォーカスしている点が特徴だ。クライアントPCが100台~数万台という幅広い規模の企業に多くの導入実績を持つ。
自社のシステム運用事情に即して使える5つのインベントリ収集形式
WebSAM AssetSuiteはクライアントPCだけではなく、物理/仮想サーバ、ストレージ、ネットワーク機器、USBメモリなどの記憶デバイス、また机やキャビネットなどの什器まで含めて、社内の全IT資産の情報を一元的に収集・管理できる。「どのソフトウェアがどのハードウェアと結び付いているのか」といったシステムの構成情報と併せて、各種IT資産情報を管理できる点を特徴としている。
インベントリ収集の確実化・効率化にも配慮しており、以下の5つの収集方式を実装している。
- オンラインスキャン
クライアントPC、サーバにエージェントをインストールし、ハードウェアとインストールされているソフトウェアの情報を定期的に自動収集。
- オフラインスキャン
スタンドアロンPC/サーバなど、ネットワークにつながっていない機器からUSBメモリなど外付け記憶デバイスを使って情報を収集。
- リモートスキャン
ネットワークで接続されているが、エージェントをインストールできない機器に対し、プローブ用サーバがクライアントPC、サーバ、ネットワーク機器などにアクセスしてエージェントレスで情報を収集。
- インポート
既存の資産管理ツールやMicrosoft Excelなどで管理している情報をCSV形式で一括インポート。
- Web収集
エージェントをインストールしていないクライアントPCやサーバから、Webブラウザ経由でハードウェア/ソフトウェアの情報を収集し、資産情報を登録。
自動収集する情報項目は約150項目。Windows、Linux、UNIXを搭載した機器に対応している他、SNMP機器にも対応し、ネットワーク機器やプリンタなども含めて、全てのIT資産情報を自動収集できる。NEC システムソフトウェア事業部 高島慎也氏は、5つの収集方式について次のように解説する。
「運用管理スタッフの間では、システムの安定稼働やパフォーマンスへの懸念から、『クライアントPCやサーバにエージェントを入れたくない』という声も大きい。本製品ではエージェントあり/なしを使い分けることで、エンドユーザーの業務やシステム運用管理を阻害することなく、より確実・効率的にIT資産管理を行える」
WebSAM AssetSuiteは単独での導入の他、WebSAMシリーズ の既存ユーザーが製品同士の相性の良さから追加導入するケースも多い。大企業のユーザーが多いことにも配慮し、「20万資産まで管理できるスケーラビリティも特徴の1つだ」(NEC システムソフトウェア事業部 主任 岡本晃治氏)という。
検索機能とアラート機能の連携で、より確実な資産管理を支援
ソフトウェアライセンス情報や、リース、レンタルなどの契約情報は、手入力で登録するか、Microsoft Excelなど既存の管理台帳からCSV形式でインポートする。ソフトウェアライセンス管理機能では、ソフトウェアの製品名、ベンダー名、有償/無償ソフトウェアを判別するSAMAC(ソフトウェア資産管理評価認定協会)の「ソフトウェア辞書」をCSV形式でインポートすることもできるという。また、Microsoft Officeなど複数のバージョンが同時に使われているソフトウェアの場合、名寄せ定義することでよりシンプル、確実に管理できる。
WebSAM AssetSuiteは、そうして登録した資産情報の管理性を高める3つの特徴を持つ。1つ目はIT資産と利用者の情報をひも付けて管理できること。具体的には、IT資産を管理する情報項目の1つとして「資産利用者」という項目を用意。この資産利用者の情報を「利用者マスタ」として一元管理し、ユーザーの氏名、所属部署とともに、使用しているソフトウェアライセンス、それがインストールされているハードウェアなどの資産情報を全てひも付けて管理することが可能だ。「利用者マスタ」から、そのユーザーが利用している全IT資産を一覧することもできる。
2つ目は「柔軟な検索機能」。検索条件に「四則演算」や「項目同士の比較」を設定して、条件に合致するIT資産だけを迅速に一覧表示することができる。IT資産名、使用者名、デバイス名など、複合条件を指定した柔軟な検索が可能な他、よく使う検索条件をツリービューに登録することで、検索条件に合致する資産一覧を迅速に参照することもできる。
「例えばソフトウェアライセンス管理なら、『部署ごと』など任意のグループごとにライセンスの保有・使用数を一覧したり、その単位で管理したりすることができる。『ライセンスが割り当てられていないソフトウェア/OS』のグループを検索して、その一覧をスピーディに把握するといった使い方もできる」(岡本氏)
3つ目の特徴は、「検索機能/監視条件と連動したアラート機能」を持つこと。例えば監視条件として任意の「リース/レンタル期間」を設定し、一定期間ごとに指定したIT資産を自動的に検索。リース/レンタル期間終了が近づくと、管理担当者に自動的にアラートの電子メールを送信する。
同様に、任意のタイミングで「使用しているソフトウェア」と「ライセンス数」を検索し、「ソフトウェアライセンス数の不足」や「不正ソフトウェア」などを自動的に検知し、アラートを発信させることもできる。これにより、ソフトウェアのライフサイクルに沿った無駄のない管理もより確実に行える。
資産情報を登録する「資産詳細画面」には、あらかじめ設定されている資産情報/構成情報項目以外に、任意の情報項目を追加設定することも可能。また、追加した情報項目も検索対象とすることができる。
「ハードウェア/ソフトウェア資産と利用者情報をひも付けた管理により、各種IT資産を確実に管理することができる。特に任意の管理情報項目を設定できることと、高度な検索機能によって、自社のIT資産の運用実態に即した柔軟な管理ができる点が大きな特徴といえる」(高島氏)
構成管理機能をさらに強化
この他、市販のパッケージソフトウェア、独自アプリケーション、セキュリティパッチの一括配布機能も持つ。任意の管理グループのみを対象に配布したり、任意に検索した端末のみに配布するなど、配布先を柔軟に指定できる。用途に応じて「強制配布」「任意配布」を選べる他、配布の進行状況を一覧することも可能だ。IT資産管理に専任の担当者がおらず、複数の兼任担当者で管理しているケースが多いことにも対応。ツールにログインするユーザーを複数設定し、それぞれに対して情報の閲覧・変更の権限を付与したり、操作可能な資産グループの範囲を指定したりすることができる。
なお、セキュリティ機能とMDM(モバイルデバイス管理)機能を併せ持つIT資産管理製品も多いが、NECの場合、セキュリティ系の機能についてはWebSAMシリーズとは別に「InfoCage」シリーズとしてラインアップ。WebSAM AssetSuiteは「必要な機能だけ導入したい」というニーズを持つユーザー企業に支持されているという。
高島氏は、「仮想化の浸透によって、動的に変化するシステムインフラの確実な管理が課題となるなど、IT資産管理作業と構成管理作業の境界線は薄れつつある。その点、統合運用管理製品群の1つであるWebSAM AssetSuiteは、構成管理機能に軸足を置くとともに、IT資産管理機能に特化し、一貫して運用管理現場にとっての使いやすさに配慮してきた。さらに仮想環境の構成管理機能、システム構成のマッピング機能など、管理機能と使い勝手の強化を検討中だ。各社固有のプロセスに即したIT資産管理を支援していきたい」と話している。
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