2015年記事ランキング(仮想化/クラウドインフラ編)
ユーザー企業 vs. SIer、それぞれが注目する仮想化/クラウドのトピックは?(2/2 ページ)
SIerの注目記事から2016年を占う
では、システムインテグレーター(SIer)や通信業にお勤めの読者はどのようなトピックに注目したのでしょうか。1~5位は、ユーザー企業のランキングとほぼ変わらない記事が並んでいます。
- サイバーエージェント経理部門が本気で進めた“脱Excel”、「kintone」は代替できたか
- AWS、Azure、Google――クラウド“ビッグスリー”比較表で分かる本当の勝者
- 2014年にダウンタイムが最も長かったクラウド、短かったクラウド
- “LINE砲”を受けても落ちないWebサイトを構築 スタバが克服したAWS移行の8つの不安
- AWS vs. Azure vs. Google、運用コストで選ぶ3大クラウドストレージ
- 破竹の勢いの「Docker」の弱点となり得る厄介な問題
- オンプレとは異なる”クラウドならでは”の運用管理とは? NTTデータがAWS運用の極意を伝授
- 徹底比較:オンプレミスとクラウド、選択で欠かせない3つのポイントとは
- OpenStackストレージ、主要5社の差別化ポイントをまとめた
- 本命DaaS「Amazon WorkSpaces」が波に乗り切れない理由
ランキング集計方法
期間中(2015年1月~11月)に掲載した仮想化/クラウドインフラ関連記事について、同期間中のページビュー上位10記事をピックアップしました。ページビューの計測対象は、TechTargetジャパン会員のうち、「情報サービス業」「インターネット附随サービス業」「通信業」の読者です。
変化は6位以降で見られます。6位には「Docker」の記事がランクインしました。Dockerは、アプリケーションと実行ファイル、ライブラリを1つのパッケージにしたコンテナ技術です。ゲストOSはなくLinuxのカーネルを共有するので、ハイパーバイザーを使用した仮想化よりも軽量でオーバーヘッドが少ないことがメリットです。2014年~2015年は複数のクラウドベンダーがこのDockerに対応したサービスを提供開始しました。しかしながら、本格的な実用段階に入ったというよりは、Dockerの活用方法や管理方法を、コミュニティーを中心に手探りで研究しているのが現状だと考えます。ユーザー企業の中でも先進的なところでは既にDockerを使い始めているケースもあり(参照:ソニーが明かす“障害頻発”写真共有サービスの再構築、AWS活用でどう改善?)、Dockerは2016年もホットなキーワードとなりそうです。
7位、8位には、オンプレミスとクラウドを比較した記事が並びました。クラウドを利用する際、オンプレミスのシステムを移行するニーズは根強いですし、SIerにとってはビジネスの種です。クラウドへ移行した後に運用管理が大変だったというユーザー企業もあることから(参照:“ネガキャン”にも負けない 日通がプライベートからパブリッククラウドへ移行するまで)、7位の記事が示す通り、運用方法がオンプレミスからどう変わるのかという点は気になるポイントです。
9位には「OpenStack」の記事がランクインしました。TechTargetジャパンでは2014年~2015年、OpenStackに関する記事を多数提供しました(連載:エンタープライズのためのOpenStack検討ガイド)。本ランキング(10位以内)には入りませんでしたが、20位圏内にOpenStackの記事が4本も入っていることから、OpenStackを取り入れたプライベート/ハイブリッドクラウドの構築・運用サービスに本腰を入れ始めるベンダー/SIerが多いことが伺えます。すぐにエンタープライズでの利用が増えるとは思えませんが、今後も大規模な通信事業者やWebサービス企業などを中心に、OpenStackが売れていくのかもしれません。
もう1点、本ランキング圏外で特筆したい技術が「ハイパーコンバージドインフラ」です(11位:5分で分かる「ハイパーコンバージドシステム」の仕組みと主要製品)。製品が幾つか登場し、簡単に導入できる“仮想化アプライアンス”という認識で使用するユーザー企業も出てきています(参照:“変化こそ全て”――協和発酵キリンがクラウド+『EVO:RAIL』を選んだ理由)。代表格のベンダーである米Nutanixが2015年12月22日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を申請したことがニュースになりました。2015年はハイパーコンバージド製品を担いでマーケティング活動を行うベンダーが多々見られたことから、2016年もベンダーが売りたい製品といえるのかもしれません。
クラウドインフラのカテゴリーでは大手ベンダーによるクラウドサービスの比較記事が、仮想化ではデスクトップ仮想化に関する記事が目立った2015年でした。クラウドに関しては、単なるIaaSレイヤーで機能や価格を比較する段階はいったん過ぎた印象を受けています。また、2016年も引き続き、ハイブリッドクラウド戦略における覇権争いが激しくなるでしょう。TechTargetジャパンでは2016年も、仮想化/クラウドインフラに関する製品/サービス、技術動向を追っていきます。
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