“ネガキャン”にも負けない 日通がプライベートからパブリッククラウドへ移行するまでEMC Forum 2015リポート(1/3 ページ)

近年、プライベートクラウドからパブリッククラウドへ移行する企業が出てきている。中でも日本通運はAWSとIIJのマルチ体制を取った点がユニークだ。移行プロセスも緻密に計画。注目プロジェクトを担当者が語った。

2015年11月19日 08時00分 公開
[荒井亜子TechTargetジャパン]

 丸紅、ローソン、日本通運……、これらは近年、共通して自社のITインフラをプライベートクラウドからパブリッククラウドへと切り替えた企業だ。当初は、プライベートクラウドを導入したことによって、システムごとに個別に構築されていたITインフラのリソースを集約し、迅速に払い出しができるようになった。とはいえ、ハードウェアの保守や更改作業からは逃れられない。当然、リソースプールの構築や管理業務もユーザー企業負担だった。

 一方でパブリッククラウドであれば、ITインフラの運用負荷はぐっと下がる。さらにコスト的なメリットや柔軟な拡張が見込め、安定的に運用できる。そうであれば、思い切ってパブリッククラウドへ移行してしまおう――こうした判断を行う企業が、Web系以外のユーザー企業からも出てきている。

 日本通運の情報システム基盤全体を担う日通情報システムでも同様の判断でパブリッククラウドへの移行を行った。本稿では、2015年10月に行われたEMCフォーラムの講演を基に、日通情報システムのパブリッククラウド移行をリポートする。

プライベートクラウドの限界

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