サイロ型で非効率なシステムが乱立していた日本通運は2009年、国内システムのインフラ標準化に着手。ストレージ多層化などを進めた結果、同社が構築したシステムは当初予想していなかった形態になった。
前回の「みずほフィナンシャルグループが目指す、ストレージの理想像とは?」に続き、2011年12月7日に開催されたネットアップのプライベートイベント「NetApp Innovation 2011 Winter」で発表された講演の内容を紹介する。今回は、国内物流事業の最大手、日本通運の事例だ。
1937年に設立された日本通運は国内の従業員数3万7000人で、支店・営業所数は386拠点を持つ。また国外では37カ国に386拠点があり、近年では特にグローバル化に注力した事業を展開している。同社は、50年ほど前から全国の拠点を結ぶオンラインネットワークや在庫管理システム、顧客への情報提供などでIT化を進めてきた。
日本通運 常務理事 IT推進部長、野口雄志氏は、自社のシステムについて「歴史が長いだけに各システムの個別最適化が進み、結果的にサイロ型で非効率なシステムが乱立していた」と説明する。そのため、同社は2009年に国内システムにおけるインフラの標準化に取り組み、2011年に新システムを稼働させた。
野口氏は「インフラの標準化では、まずサイロ型の個別最適化から全体最適化の実現を第一に考え、インフラのアーキテクチャを標準化するという方針を打ち出した」と説明する。全体最適のポリシーを策定し、「コスト削減」「システムの安定化の強化」「柔軟性の強化」の3つの価値を追及したという。
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