XenServer Tips
Linux物理マシンをXenServerにP2Vする方法
Linux物理マシンをXenServerにP2V(Physical to Virtual)するプロセスについて解説する。
P2V作業の流れ
通常、P2V(Physical to Virtual)のプロセスは、以下のステップで行う。
- 物理マシンの完全なバックアップ
- 仮想マシンへの完全なリストア
- 仮想マシンで稼働するための変更の実施
- 不要なデバイスドライバの削除など、クリーンナップ作業の実施
これらのプロセスは通常、P2Vツールで一気に実施することが多いため、手動で行うことは少ないが、個別に手動で行うことも可能である。特に、Linux物理マシンのP2Vについては、対応しているP2Vツールが少ないため、P2Vの方法が問題になるケースがある。
以下では、オープンソースのバックアップ/リストアツールであるMondoRescueを用いて、手動でP2Vを実施する手順を説明する。
バックアップ
MondoRescueのインストールについては、ここでは省略する。MondoRescueのWebサイトなどを参考に、必要なrpmファイルをダウンロードしインストールする。
物理マシンのバックアップに際しては、不要なサービスが極力動いていない状態にしておくことが望ましい。また、バックアップに構成情報やログなどを含めておくと、移行後に発生した問題を切り分けやすい。
サービスが静止した状態で、以下のコマンドを実行する(他にもオプションがあるので、必要に応じて指定する)。
# mondoarchive ‐O ‐I ‐N ‐g ‐d (保存先) ‐E(除外するディレクトリ)
実行するとMondoRescueの画面が表示され、保存先にISOファイルが作成される。このISOファイルをXenServerのISO SR領域にコピーする。
リストア
リストアは以下の手順で行う。
1.新規VMの作成
XenCenterで新規VMを作成し、テンプレートの種類に「Other install media」を選択する。P2V元のLinuxを選択すると、準仮想化に対応したOSだと見なされ、CDからブートできなくなるので注意する。
2.新規VMの設定
通常のステップでVMを作成する際は、以下のように指定する。
- インストールメディアに先ほど作成したISOファイル(通常はmondorescue-1.iso)を指定する
- vCPUとメモリ量は変更しても問題ないが、SMP対応でないカーネルをP2Vする場合は、1vCPUの割り当てとする
3.Interactivelyの選択
VMのコンソールを開くとMondoRescueの画面が表示される。「Interactively」を選択し、ウィザードに沿って指定する。ISOファイルが分割されている場合は途中でディスクの入れ替えを行う。
4.各種修正作業
リストアが終了すると、ブートローダーの修正やmkinitrdコマンドの実行、「/etc/fstab」の修正を求められるので、順を追って実行する。特に、移行元のディスクが「/dev/sdX」と認識されていないものに注意する。例えば、移行元のディスクが古い世代のHP SmartArrayのデバイスは「/dev/cciss/cXdY」のように認識されているので、全体的に修正が必要になる。
また、途中ブートデバイスを聞かれる箇所では、デフォルトは「/dev/sda1」のような指定になっているが、必ず「/dev/sda」のようにパーティションを指定する。最後に、Red Hat系のLinuxの場合は、ラベル指定がなされている場合が多いので、追加で修正が必要になる。
5.再起動時の注意点
4.の修正がうまくいっていれば、リストア終了後、再起動に成功する。その際、サービスが起動しないなどのエラーが出るが、ネットワークが疎通しないことに伴うエラーであることが多い。これについては、NICが認識できる状態であれば、ネットワークの構成ファイルを修正して対処する。よくある問題は、構成ファイルにMACアドレスが指定されていてifupに失敗する場合である。P2Vを行った後はMACアドレスが変更されるので、MACアドレスの指定をコメントアウトすることで対処できる。
準仮想化への対応
ここまでの手順でも完全仮想化のVMとして稼働できるが、準仮想化カーネルとして構成し、XenServer toolsをインストールすることで、より性能が向上する。準仮想化カーネルへの変更については別の記事で解説する。
クリーンナップ
以上でP2V自体の作業は完了だが、移行後に不要なサービスの停止やドライバの削除を実施する。例えば、ハードウェアを監視するエージェントがこの時点で残っている場合は削除が必要だ。サービスとして起動してしまうものや、Syslogにエラーを出すものを中心に対処する。
(参考)
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