エンドユーザーコンピューティングではまさに「熱い」技術
「AIに職場を乗っ取られる」は大間違い 専門家が語るAI活用の未来とは
「企業のIT系社員は、AIに仕事を奪われる未来を恐れている」というのは間違いだ。多くの専門家は、AIが彼らの仕事を補佐すると指摘する。データ管理など、AIは人ができない仕事をこなしてくれるからだ。
IT部門の従業員の多くは、人工知能(AI)の変革する未来に期待している。AIが自分たちの仕事を奪うのではと恐れているわけではない。
テクノロジーの未来に関する議論において、AIは、近年最もホットな話題の1つだ。Tesla Motorsの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏は、制御不能になったAIが殺人ロボットになりかねないと懸念している。中国の検索エンジンBaiduの前AI開発統括者、アンドリュー・ウ氏は、AIが将来、人の仕事を奪うと考えている。Facebookのマーク・ザッカーバーグ氏は、人々がAIのネガティブな側面を誇張していると言う。
一方、エンドユーザーコンピューティング(EUC)市場において、「AIは、生活を脅かすどころか企業のIT部門を助けるだろう」と語る専門家もいる。
「仕事が奪われることはありません。ただ働き方が変化するだけです。AIを受け入れるか否かは組織次第ですが、AIを受け入れない組織は取り残されることになると実感しています」と、ニューヨーク州で物流用パレットを生産するOngweowehのIT部門ディレクター、ジム・デイビーズ氏は語る。
EUC製品に見るAIの可能性
EUC製品には、ユーザーが企業のデータにアクセスする際のポリシー順守など、コンプライアンス管理にAIを活用している例もある。こうした製品の動向は、今後興味深い道筋をたどるだろう。例えば、Citrix Systemsの新たなデータ分析サービスである「Citrix Analytics」は、企業のネットワークにおけるユーザーの行動を追跡し、そのパターンを認識する。AIが異常な行動を捕捉した場合、同製品は、ユーザーによるファイルへのアクセスをブロックし、あるいは担当者の手動操作を待たずに、多要素認証を実施する。
AIがさらに進化し、新規ユーザーへの対応や適切なポリシーの実施、各企業でのポリシー順守を徹底できれば、企業のIT部門にかかる負担も軽減するだろう。「AIは人の仕事を奪うわけではなく、あくまで働き方を変えるだけだ」と、マサチューセッツ州のデータ分析企業、J.Gold Associatesの創業者兼主席アナリスト、ジャック・ゴールド氏は話す。
「AIは時間の経過に合わせて進化し、より賢くなり、さらに高い能力を獲得するだろう。企業のIT部門は、AIがまだ苦手としている別の仕事を遂行することになる」と、ゴールド氏は語る。
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ウェストバージニア州の金融機関United Bankで、メッセージングやコラボレーション機能を専門に担当するウィリアム・バチャス氏も同じ考えだ。
「映画『A.I.』の登場以来、AIは長い間恐れられてきた。私は、AIが人間の知能にほぼ完全に取って代わる日がいつか来るだろうとは全く思っていない。AIは、監視や簡単な作業の自動化などを処理するだろう」とバチャス氏は語る。
AIを活用した機能は、既にBoxの同名EFSS(ファイル共有サービス)製品やMicrosoftのオフィス向け製品群「Office 365」などで活躍している。こうしたエンドユーザーアプリケーションを通して、機械学習自体も真価を高めるだろう。
「AIは、最終的にセキュリティから業務管理、業務自体に至るまで、EUCのほとんどの局面に組み込まれていくと考えている。最終的には、ユーザーの作業効率にも貢献するだろう。まさにこれは誰もが望んでいることだ」と、ゴールド氏は語る。
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