「安全なWeb会議」の実現方法【前編】
“危ないWeb会議”を防ぐには「従業員研修」だけでは駄目なのか?
これまでの会議のセキュリティ対策は、会議室やデバイスといった物理的な要素を考慮しておけばよかった。Web会議のセキュリティを確保するには、それだけでは不十分だ。何をすればよいのか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、企業は「Zoom」などWeb会議ツールの重要性を実感した。同時にWeb会議サービスの脆弱(ぜいじゃく)性も浮き彫りになり、ZoomでのWeb会議に第三者が乱入する「Zoombombing」(Zoom爆撃)といった迷惑行為が生まれた。
調査会社Metrigyでアナリストを務めるアーウィン・レーザー氏は次のように語る。「2020年は『アプリケーションが安全だという前提で行動してはならない』という教訓を学んだ。われわれはCOVID-19流行前よりセキュリティについて賢くなっている」
さまざまな企業がWeb会議のセキュリティポリシーを設け、パスワードやロビー(仮想的な待機室)の使用、通信の暗号化機能の有効化、未承認参加者の参加禁止を義務付けている。それらに加えてWeb会議の安全性を確保するには、Web会議の内容や利用するデバイスも含めたあらゆる側面を保護する対策が必要だ。
「危ないWeb会議」を防ぐには
COVID-19流行前のWeb会議のセキュリティ対策は、デバイスやインフラといった物理的な要素を保護することで会議室そのものを安全にする対策が中心だった。調査会社Let's Do Videoの創立者デービッド・マルドー氏は「現在は物理的なセキュリティだけでなく、エンドユーザーの行動も保護対象になる」と語る。
企業のIT部門は、従業員にWeb会議ツールのライセンスを配布するだけでなく、適切な使い方の研修を実施してセキュリティ問題を防ぐ必要がある。「動画サイトのチュートリアル動画や研修資料など、さまざまなセキュリティ研修ツールを活用できる」とマルドー氏は述べる。
研修にも限界はある。「全ての従業員がセキュリティ的に正しい行動を取ることを前提にしてはいけない」とレーザー氏は話す。研修の実施に加え、Web会議ツールのセキュリティ設定や、暗号化とパスワード利用を義務付けるポリシーの策定が必要だ。複数のWeb会議ツールを併用する場合は、それらのWeb会議ツールにまたがる一貫性のあるポリシーを設けなければいけない。
レーザー氏は「セキュリティ要件と利便性のバランスを取るのはなかなか難しい。Web会議ツールを評価する際は、セキュリティ機能も評価の対象になる」と説明する。Web会議ツールが備えるエンドユーザー用のセキュリティ機能は、使いやすくて、会議の利便性を損なわないものが望ましい。
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