セキュリティ重視でSamsung、iPhone、Windows Phone 8を比較
こだわりの元BlackBerryユーザーが選ぶべき次のスマートフォンは?
揺れ動くBlackBerryのユーザーが、乗り換えるスマートフォンを探し始めた。企業で多く使われたBlackBerry端末の特徴の1つはセキュリティの高さ。元ユーザーが選ぶべきスマートフォンとは?
BlackBerryから次のモバイルデバイスへ乗り換えを検討しているIT担当者には、今日、選択肢となる安全なモバイルデバイスが数多くある。
そうした企業向けのモバイルデバイスセキュリティに力を入れる会社の1つが、韓国Samsung Electronics(以下、Samsung)だ。
マルウェア脅威の79%はAndroidで発生
各種リポートによると、Samsungのモバイルセキュリティソフトウェア「KNOX」は、米Lookoutのモバイルアンチウイルスソフトウェアを組み込み、世界で最も広く普及するモバイルOSで、かつマルウェア攻撃の最大のターゲットであるAndroidベースのスマートフォンを保護するという。
米国家安全保障省と米連邦捜査局(FBI)の調べによると、2012年にモバイルOSを狙ったマルウェア脅威の79%は、Androidデバイスで発生した。
Samsungは2013年秋にも投入するKNOXで、そうした傾向を払拭したいと考えている。KNOXは、私物端末の業務利用(BYOD)ポリシーをサポートする企業向けに、端末をビジネスサイドとパーソナルサイドに切り分ける機能を持つ。
Androidデバイスを保護
KNOXに組み込まれたLookoutはクラウドベースで、メールの添付ファイル、Webトラフィック、ファイル共有サービスに対するセキュリティ脅威をリアルタイムでスキャンする。また、Samsungの技術ソリューション担当副社長、ニック・リー氏によると、Lookoutはデータ漏えい防止でも役立つという。
「Lookoutはデバイス全体を安全にする」と語るのは、米IT関連調査会社、451 Researchのモバイル・ワイヤレス担当リサーチディレクター、クリス・ハゼルトン氏だ。「Lookoutはユーザーがアプリケーションをインストールするとき、自社のデータベースと照らし合わせ、それが何をするものかを確認する」
IT部門はその結果を基に、「どのような脅威があるか、どのようなポリシーを導入すべきか、どのアプリをブラックリストに載せるべきかといった判断が可能になる」とハゼルトン氏は言う。
Samsungのリー氏によるとKNOXでは、「ホーム画面とナビゲーションフローは、仕事用とパーソナル用とで同じルック&フィールを持つ。ユーザーはスムーズに仕事とパーソナル(の画面)を切り替えることができる」という。
エンドユーザーはまた、KNOXによってIT部門が個人データを勝手に消去したり、監視したりすることを心配する必要もなくなる。
Apple iOSのセキュリティ、管理性
米Appleの「iPhone」を選択する企業は、Androidと比較した場合のセキュリティと安定性に着目する。最近リリースされた「iOS 7」は、iPhoneの安全性を高め、会社のデータを保護するのに役立つツール群を幾つか装備している。
「企業が探しているものは2つ。1つはデバイスの安全な管理。特に個人的に持ち込まれ、会社のデータが保存されているデバイスの管理だ」と語るのは、Appleサポート会社、米Tech Superpowersの社長、マイケル・オー氏だ。「もう1つは、ハッキングとデータアクセスされる危険のあるスマートフォンだろう。IT管理者は、この問題に真剣に取り組んでいるだろうか?」
Appleは長年、管理機能の構築に力を注いできた。iOS 7はその成果の1つだ。
「IT管理者はスマートフォンをロックすることができる」とオー氏。「また、iCloudなどへのアクセスをコントロールすることも可能だ」
米Microsoft以外で、こうしたハードウェア、ソフトウェアに対する完璧なコントロールを持つメーカーはAppleだけといってもよい。
Appleのアプリに対する厳格な監視により、マルウェアやハッキングの脅威が増大することもない。
「スマートフォンからマルウェアを排除するという点において、彼ら(Apple)はAndroidより成功しているように見える」とオー氏。「Appleの方向性は正しい。確かにアプリ開発者の間に混乱を引き起こしたが、その成果は十分にあり、iPhoneとiPadの安全性はより高まった」
最新のiPhoneにも、iPhone 5sの指紋認証スキャナ「Touch ID」など、新しいセキュリティ機能が搭載されている。生体認証は、特に自社のアプリにアクセスするような場合、企業にとっても魅力的なものになる。
「将来、(モバイルデバイス管理において)生体認証の優位性が生かされるようになるはずだ」と、米High Rock Strategyの主席アナリスト、クリス・シルバ氏は語る。「そのうち、親指を滑らせてメールにアクセスできるようになるだろう」
Microsoft Windowsフォンを保護
モバイル市場はAppleとAndroidデバイスに支配されているが、米Microsoftの「Windows Phone 8」も排除されるべきではない。Windows Phone 8は、IT部門を支援するセキュリティ機能を提供している。
「データと情報を保護するMicrosoftのツール群がある。それらを使って、IT部門はデバイスを管理し、部分的なワイプや安全なアプリの管理が可能になる」
Microsoftの広報担当によると、Windows Phone 8はまた、ファイルシステムへのアクセスを制限して個人情報を保護し、アプリをサンドボックス化してマルウェアから保護.
全ての通信をSSLで暗号化し、電話内部のストレージデバイスも暗号化しているという。デバイス暗号化は、「Microsoft Exchange Server」か、「Windows Intune」などのMDM(モバイルデバイス管理)機能を持つシステムを利用して、IT担当者が行う。
加えて「Microsoftの全てのアプリは、Windowsストアで公開される前にMicrosoftが責任を持って審査する」とハゼルトン氏は話す。
「ユーザーはストアからアプリをダウンロードするだけだ」と同氏。「アプリがサブミットされた段階で、既にマルウェア検査は終了している」
しかし、これらのモバイル大手3ベンダーが最も注力する点は、顧客にとって自社のスマートフォンがいかに安全であるかということだ。
ただ、コンシューマーにとっての安全が必ずしも企業にとっての安全につながるとは限らない。「IT担当者は、IT部門が認可したアプリだけを従業員が自由にダウンロードできるエンタープライズアプリストアを構築して、モバイルデバイスのセキュリティを強化できる」とハゼルトン氏は言う。そうしたプライベートアプリストアは、大抵MDM製品の一部として提供されている。
将来、モバイルセキュリティはますます重要になる。しかし、その責任を果たすのは企業だ。そう語るのは、無線・モバイル技術専門アドバイザリ会社、米Farpoint Groupの代表、クレイグ・マシアス氏である。
「企業はセキュリティを保守し、コントロールしなければならない」と同氏は強調する。「(セキュリティを)外部に委託することもできるが、責任は自らが持たなければならない」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
-
6
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
7
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
-
8
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
9
「SIEMの利用」に関するアンケート
-
10
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー