5つのやるべきこととは?
「Windows 10」は期待大、「Windows 8」失敗から学んだMicrosoftの本気を見た
米Microsoftは「Windows 8」で苦戦を強いられてきたが、モバイルとデスクトップを融合した「Windows 10」の新たなコンセプトを推進することにより、まだ立ち直ることが可能だ。
筆者の見解では、いかなる測定基準を用いても「Windows 8」は失敗だったと言って間違いない。米Microsoftは今、モビリティを既存のデスクトップシステムとより適切に統合するなどの「Windows 10」の新しい機能で、従来の方針を修正しようとしている。
Windows 8では多くの新しく進歩的なアイデアを採用したが、コンシューマーや企業のIT部門に多くの混乱ももたらした。今やWindowsはタッチオペレーティングシステムになったのだろうか。スタートメニューは完全に消え去ったのか。このOSはあらゆる人にとっての全てのものになろうとし、あまりに多くの方向に同時に進もうとしたように思われる。
Windows 10のテクニカルプレビューのリリースで、ユーザーは自問したかもしれない。Windows 10はWindows 8が失敗したエンタープライズで成功することができるだろうか。Windows 10とWindows 8の比較によって、「Windows 10ならできる。ほぼ確実に成功するだろう」という断固たる答えを示している。
最初にWindows 8に関する幾つかの問題を見てみよう。Windows 8はモバイル向けのタッチ操作可能なインタフェースを従来のシステムに取り入れた。このため、IT部門やユーザーが使い慣れた環境と決別することになり、スマートフォンやタブレッドなどのハードウェアもWindows 8の機能を十分に活用する準備ができていなかった。その上、マーケティングもひどいものだった。
Microsoftは、Windows 10ではこの問題がどこから来たのかを確認する必要があるだろう。このことは、モバイルの勢力地図を根底から変えるより、モビリティ機能と既存のエンタープライズデスクトップシステムをよりシームレスに結び付けることで、コア製品をより進化させることを意味する。しかしエンタープライズでさらなる大仕事に取り掛かるためには、Windows 10はより多くのエンドユーザーを取り込む必要がある。
ここでは、Windows 10がエンタープライズモビリティのニーズを確実につかみ取るために、Microsoftがやるべき5つのことを挙げよう。
Microsoftのコアアイデンティティーを認識する
Microsoftはオペレーティングシステムに継続的なアップデートを行う一方で、極めて大量の従来のデスクトッププログラムとの下位互換性を提供することにより、その資金を獲得している。これは、企業が古いシステムから自身のデータやユーザーインタフェースを依然として使用できることを意味している。
Microsoftは先見性がある会社のふりをしようとした場合、失敗することが多い(Windows ME/Vista/8を思い出してみよう)。増大する改善点の開発や、一般人のユーザーエクスペリエンスに親しみやすさを残すことをMicrosoftが重視した場合は、成功してきた。
Microsoftに必要なのは、モビリティの革命をリードすることではなく、進化に取り組むことだ。Windowsはリーダーシップを考えるにふさわしい場所ではなく、非常に多くのシステムにわたって堅実で安定したエクスペリエンスを提供する場所である。そこには依然として多くの価値が存在する。
企業に狙いを定める
企業が新しい技術を採用するには時間を要する。多くの組織が米Appleを標準としない理由の1つは、AppleにはWindowsほどの汎用性がないためである。Appleが過去数年間に渡ってさまざまな管理機能を追加したにもかかわらず、企業はAppleの画一性にすぐに取り組む用意ができていないという姿勢を見せている。
Microsoftはこの利点を利用し、Microsoftの収入源の大半を担う企業とそのユーザーにはっきりと照準を定めるべきである。多くの企業ユーザーはWindowsのノートPCと、iOSまたはGoogleのAndroidモバイルデバイスを所有している。Microsoftがユニバーサルエコシステム互換のスマートフォン、タブレット、ノートPC、デスクトップPC、サーバの開発に成功した場合、Appleでは不可能な全てのフォームファクターにわたって同じエクスペリエンスを提供することができるだろう。このことは、組織においてITハードウェアの予算をMicrosoftのプラットフォームへ向ける働き掛けとなるかもしれない。
ユーザーインタフェースを見直す
Windows 8の最大の問題の1つは、ユーザーインタフェースだ。それはメトロなのか? モダンと呼ぶのか? それともタイルなのか? Microsoftの新しいインタフェースは、正確には何と呼ばなくてはいけないのか。1つ明らかなのは、それはもう過去のものだということだ。そしてWindows 8.1のデスクトップでユーザーに直接起動させるというつまらない懐柔的な行為は十分ではなかった。
Windows 10は、この点に関しては約束している。Microsoftは、従来のメニューとタイルのようなセクションが表示されるスタートメニューを再度導入している。ハイブリッドなビューへの変化は、複数のフォームファクターを持つ人々にとって特に賢明な決定である。タッチスクリーン、マウス、キーボードモードに同じインタフェースが採用されること、両方の機能が適切に備わることは、ユーザーには極めて便利で快適だろう。
すき間へ売り込む
Appleはコンシューマーで大きな成功を収めている。そしてエンタープライズにおいても次第に成功している。Appleが製品のマーケティングを得意としていることも、その理由の1つだ。Microsoftはコンシューマーで全く同じような成功をしていない。その上、Windows 8の芳しくない評判のせいで後れを取っている。そして、Windows 10を早期かつ頻繁に市場に売り込む必要もある。Windows 10が最終的には、全てのプラットフォームに対して応答性に優れるただ1つのOSであるという事実は、エンタープライズにおいて差別化できる要因となり得るものであり、Microsoftが強調するものでもある。
またMicrosoftは、Windows 8での失敗を理解していることを組織に納得させることが必要だ。著名人による広告費用を節約し、Windows 10に切り替える価値がある理由を企業に説明することに取り組むことだ。Windows 7/8.1は、Windows 10の発売から1年間は、同OSへ無料でアップデートできる。
デバイスを低価格化する
Microsoftは高性能のデバイスだけでなく、低価格で販売するデバイスにもWindows 10を搭載する必要がある。
Windows Phone OSが低価格で搭載されたせいで市場にゆっくり浸透したのと同じように、Windows 10もそうすべきだ。コンシューマーは、Apple製品を除いて、もはやコンピュータデバイスに大金を費やさないだろう。MicrosoftはSurfaceタブレットをハイエンドデバイスとして維持しながら、この現状を認識することおよびWindows 10で動作する低価格のデバイスを構築するOEM(相手先商標製品の製造会社)と連携することが必要だ。
Windows 10とWindows 8を比較した結果、Microsoftはその新しいOSにより強力な製品を持つことになった。Microsoftは、ブランドの再生のためのきっかけとしてこの機会を使うべきだ。今までのところWindows 10は、エンタープライズリーダーとしての名声を回復する、Microsoftにとってかなり有望なステップであるように見える。
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