ホワイトペーパーとは? その利用方法は?ホワイトペーパーダウンロードセンターの開設にあたって

本日、2006年2月10日、TechTargetジャパンのサービスに、ホワイトペーパーダウンロードセンターを追加いたしました。ここでは、「ホワイトペーパーとは何?」、「利用するにはどうしたらよいのか?」など、基本的な説明をします。

2006年02月10日 12時59分 公開
[ターゲティングメディア推進事業プロジェクト一同,TechTarget]

チラシ、カタログ、ブローシャ、ホワイトペーパー

 一般に、企業が発行する出版物は、チラシ、カタログ、ブローシャ、ホワイトペーパーに分類できます。ところが、日本ではそれらの出版物に厳密な違いがない場合も多いのが現実です。そのためか、どれも企業が宣伝用に作っている印刷物として十把ひとからげに扱われてきました。

 カタログ(catalog)を辞書で引いてみると、目録という訳語が出てきます。本来カタログは商品目録なのですが、日本の「カタログ」は、目録というよりは詳細に製品やサービスを解説しているものも多いのが特徴です。欧米では、これをブローシャ(brochure)と呼んでます。辞書での訳語は、パンフレット、小冊子となります。日本でよく使う1枚もののカタログ、あるいはチラシといった方がいいかもしれませんが、これは米国ではフライヤー(flier)と呼びます。

 では、ホワイトペーパーとは何でしょうか。

 ホワイトペーパーを日本語に訳せば「白書」。もともとは、英国政府が発行した公式外交報告書の表紙が白かったため、それを通称“White Paper(ホワイトペーパー)”と呼んでいました。ここから派生して、表紙の色とは関係なく政府などの公開報告書一般をホワイトペーパーと呼ぶようになったようです。

 日本においては、第二次大戦後に政府の発行する年次報告書に白書の名前をつけるようになりました。政府人事や法律、省令などを公式に発令し周知させるための官報とは異なり、各省庁などが抱えている課題と現状に対する研究、調査の報告書に対し白書の名前を用いてます。

 このように、白書に準ずる性格を持つ文書が、いわゆるホワイトペーパーということになります。最近では政府だけでなく民間の企業においても、報告書と呼べる内容のドキュメントをホワイトペーパーとして作成、公開してます。つまり、ホワイトペーパーといえば、いわゆるカタログではなく、企業が発行する報告書ということになります。

 実際はこれらをきちんと使い分け、素晴らしい情報を提供している企業もあります。とくに充実していると感じることが多いのが、技術系のテクニカル・ホワイトペーパーでしょう。

 チラシやカタログが、その出版物としての性格上、製品やサービスの長所を中心に記述してあったり、網羅性を追求しているのに対して、テクニカル・ホワイトペーパーには製品に搭載されている機能をどのように使うのか、過去の機能との性能比較、さらには開発用のサンプルコードの詳細な解説があったりすることが多いのです。場合によっては、どのようなニーズに対してこの機能を実装することになったかというような、製品開発の思想ともいえる製品の方向性を読み取ることもできます。

ホワイトペーパーの内容は?

 一般に、ホワイトペーパーに充実した内容が盛り込まれている背景には、これらを執筆しているのが製品の開発担当者、あるいはそれに近い立場の人々であることが挙げられます。

 多くのホワイトペーパーは、企業のなかの開発担当者が普段の業務の延長作業として執筆している場合が多いのです。逆に、カタログの多くは、マーケティング担当者や製品担当者、場合によっては外部のライターが書くこともあります。

 通常新製品が世に出る際には、マニュアルなどのドキュメントが制作されます。同時に、テクニカル・ホワイトペーパーも作られます。マニュアルなどは内容が最初から決められ厳しいルールのもとに記述されますが、多くのホワイトペーパーはフォーマットや用語の使い方などは決められてはいるものの、内容については書き手に任されている場合が多いのです。

 もちろん、テーマ決定の段階から文書完成に至るまで、何度か社内レビューを受けるのが普通なので、書き手に任されるとは言っても一定の基準は満たしており、突飛なものが出来上がるわけではありません。

 ホワイトペーパーには、企業が独自に行った調査結果が反映されていることも多いのです。いわゆるラボなどの研究機関を持っている企業も多いのですが、それらの成果を目にする機会はあまりありません。しかしながら、ホワイトペーパーには、そういった企業の研究機関の成果も反映され、市場分析や使える統計資料などが盛り込まれているケースも多く見られます。

ホワイトペーパーダウンロードセンター開設の趣旨

 「各企業のホームページを巡り歩いてホワイトペーパーやカタログを探すのもいいが、メディアがそれらを収集しているダウンロードサービスを利用すると、簡単に目的の情報にたどり着けるかもしれない。米国のIT系メディアサイトを見ると、それがユーザーの皆さんに受け入れられているようだ」

 このような認識が、TechTargetジャパン・ホワイトペーパーダウンロードセンター開設の背景にあります。

 メディアのダウンロードサービスでは、カタログやホワイトペーパーを、分野やカテゴリー別にインデックス化しているのが普通です。これであれば、各社を巡らずとも同じ分野の複数企業の情報を一度に入手できます。

 入手したカタログやホワイトペーパーがヒット作であれば、こんどはその企業のホームページを訪れ、さらなる情報が公開されていないかを確認してもいいでしょう。特に、ホワイトペーパーはシリーズ化されていることも多いので、派生した周辺情報をさらに入手できるかもしれません。

 また、最近の米国動向を見るかぎり、ユーザーのブロードバンド環境を反映して、PDFやWordドキュメントのみならず、動画ファイル、音声ファイルなども解説資料として企業が提供することが増えているのも特徴として挙げられます。

ホワイトペーパーの利用方法

 これらの有効な情報を利用しない手はありません。ダウンロードしたドキュメントを印刷して社内で回覧したりすることには、特に問題ないでしょう。

 ただし、自ら作成する資料に引用するような場合には、通常の書籍や雑誌などの場合と同様、著作権については注意する必要があります。引用の際には、出典の記述などを忘れずに。また、文書の一部を大量にコピーしたり、内容をさらに加工して利用したいといった場合には、発行元にきちんと事前確認するようにしてください。

 ホワイトペーパーの有無で、業務の進捗がスムースになることがあります。とくに、稟議書です。稟議書に、Webサイトの1ページが印刷されたものが添付されているだけのものと、ホワイトペーパーが添付されているのとでは、説得力が異なるはずです。

TechTargetジャパンでのダウンロード

 TechTargetジャパンのホワイトペーパーダウンロードセンターで提供しているドキュメントは、1)技術文書、2)事例、3)講演資料、4)レポート、5)製品カタログ、とその内容が明記されていますが、動画ファイル、音声ファイルの提供も計画中です。

 既にTechTargetジャパンのメンバーである皆さんはご存じのことでしょうが、TechTargetジャパンでは、メンバーシップの登録を行う際に、詳細なプロファイル入力が必要となっています。入力項目の中に、「あなたが業務上関心をお持ちの分野を、いくつでもお選びください」という項目があります。ホワイトペーパーダウンロードセンターでは、この項目に従って、上記ドキュメントが分類されています。

 項目は、以下の7つの大項目で構成されてます。

 またダウンロードに際して、名刺情報相当の個人情報が、ドキュメント提供ベンダーに渡されます(ダウンロードページに記載されています)。これは、展示会などで名刺と引き替えに資料を受け取る、通常のビジネス習慣をオンライン化したものとお考えください。

 個人情報の利用方法については、それぞれのベンダーのプライバシーポリシーに従ってセキュアに運用・管理されます。TechTargetジャパンでは、各ベンダーと個別に個人情報の取り扱いに関する厳密な契約を交わしておりますので、該当プライバシーポリシーに反した運用がされないことをお約束いたします。

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