企業向けタブレット端末のセキュリティ対策【後編】
スマートフォンとタブレット向けセキュリティの違い
タブレット端末特有のセキュリティニーズに対応するには、各端末の用途を見極め、それに合ったセキュリティのベストプラクティスを適用する必要がある。
前編「タブレット特有のリスクを回避する7つのベストプラクティス」に続き、タブレット端末流入と関連するセキュリティリスクと、その対処方法を解説する。
タブレット端末には、ポリシーのカスタマイズやプラクティスの調整を必要とする新しい側面が幾つかある。この違いは微妙なこともある。以下に幾つか例を挙げる。
無線LANオンリー端末の存在
携帯通話とSMSメールに対応しているスマートフォンと違い、新しいタブレット端末の多くは無線LANオンリーのモデルが出回っている。もし自社のスマートフォンの登録や遠隔操作でのロック/消去、ウイルス対策ソフトのアップデートといったプラクティスにSMSを使っているとすれば、同じモバイルOSを搭載していてもタブレット端末には適用できない。無線LANオンリーの端末にも利用できる方法を探し、こうした無線LANタブレットが同じように常時接続しているわけではないことを理解しておきたい。
大画面特有の利用方法
スマートフォンの画面が比較的小さいのに対し、タブレット端末はリモートディスプレーやデスクトップアプリ仮想化にとって魅力的なプラットフォームだ。実際、新しいChrome OS搭載のタブレット端末は、ローカルにインストールしたアプリの実行さえしない。もしスマートフォン上のビジネスコミュニケーションを保護するためにVPNクライアントを使っているとすれば、それはタブレット端末に対して好ましいアプローチではないかもしれない。
データ保護の必要性
一方で、タブレットはリッチメディア端末でもあり、ユーザーは積極的にプレゼン資料、PDFファイル、ポッドキャスト、動画を保存する。スマートフォンでファイル添付やファイル転送アプリを禁止するポリシーは、タブレット端末には適さないかもしれない。同様に、タブレット端末では電子メール、連絡先、予定表以外のデータも保護する必要に迫られそうだ。
OSバージョン、機種別の対応
タブレット機能をフル活用するために、モバイルOSは調整されている。例えばAndroid 2.2を搭載した初期のタブレット端末では、うまく実行できないアプリも多い。しかし、今後発売のタブレット端末に搭載される見通しのAndroid 3.0(コードネーム:Honeycomb)ではタブレット端末に最適化されたアプリをサポートする。従って、タブレット端末のアプリのサポート(セキュリティアプリも含めて)にはOSのバージョンと機種が直接的な影響を及ぼす可能性がある。
スマートフォンとの連係
最後に、タブレット端末は常に独立した端末ではない。例えばRIMのPlayBookはBlackBerryと組み合わせて3Gと電子メールを利用する。実際、PlayBookは単独ではBlackBerry Enterprise Server(BES)に接続できない。次期バージョンのBES 5.0.3では、この方法でBlackBerryスマートフォンに接続されたPlayBookを管理できるようになると伝えられているが、これらタブレット端末は要するにBlackBerryのハードウェア拡張のような形で管理されることになるかもしれない。
以上はタブレット端末の違いがセキュリティポリシーとプラクティスに与え得る影響をごく少数挙げたにすぎない。結論をまとめると、従業員の端末についてうまく機能している技術を中心に、スマートフォン分野から再利用できるものは利用する。しかし、スマートフォンと同じセキュリティ対策で全てのタブレット端末が守れると思い込む過ちを犯してはいけない。それぞれのタブレット端末の用途をしっかり見極め、それに合ったタブレットセキュリティのベストプラクティスを適用しなければならない。
本稿筆者の本稿筆者のリサ・ファイファー氏は新興ネットワーク技術、セキュリティ技術のビジネス利用を専門とするコンサルティング企業Core Competenceの社長兼共同CEO。27年以上にわたってネットワークの設計、導入、テストを手掛けた経験をもとに、脆弱性検証、製品評価からユーザー教育、ホワイトペーパー作成に至るまでさまざまなサービスを提供している。
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