データ志向への転換に必要なこと(後編)
うまくいく企業は何が違う? ビッグデータプロジェクト“成功の鍵”を探る(1/2 ページ)
企業でビッグデータ活用を成功させるには、エンドユーザーがデータ活用できる環境を整える必要がある。複数の事例からビッグデータ活用の可能性を探る。
前編「ビッグデータプロジェクト、失敗の理由は大抵“人”」で、Nationwide Insuranceを例に、ビッグデータ活用の成功には、「企業文化」が重要だと紹介しました。後編では、企業文化の転換のポイントと文化の構築方法について紹介する。
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データ志向への転換に必要なこと
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ビッグデータ活用事例からみる成功の手だて
データ志向の文化への転換
Nationwide Insuranceにおける最高データ責任者(CDO)の任命に続く文化の転換ポイントは、データをビジネス部門が利用できるようにしたことだ。地理的な位置情報や音声データ、ソーシャルメディアのデータなど、新しい非構造化データソースは、顧客の行動に関する詳しい洞察や顧客サービスを向上する新たな機会につながる。とはいうものの、このような洞察をビジネス部門が得られるようにするには、IT部門がビッグデータテクノロジーに投資して、ビジネス部門がデータにアクセスできるように取り組む必要がある。「これまで、データ活用は、アプリケーション開発プロジェクトのように線形的なものだと考えていた。だが、データ活用は厄介で、データから何が得られるかは、データを集めて操作し始めるまで分からない」とNationwide InsuranceでITアーキテクチャ部門のアソシエイトバイスプレジデントを務めるタラ・パイダー氏は話す。
次に紹介するデータ志向企業では、企業データの公開がビッグデータ文化を醸成させる鍵となった。@WalmartLabsで最高技術責任者(CTO)と社長を兼任するジェレミー・キング氏は、1つのHadoopのシステムでデータを一元管理して、エンドユーザーが業務に必要なデータにアクセスできるようにしたと話す。この仕組みを整えるためには、個人情報保護のために、データをクリーンアップしてトークン化するプロセスを構築しなければならなかった。また、データへのアクセスを難しくしていた、規則を尊重する「官僚主義的」な障害を取り除く必要もあった。一部の企業は、まだこれらのステップに取り掛かっていないという。2015年秋に開催された「Strata + Hadoop World」での講演で、「Hadoopなどのビッグデータアーキテクチャを早くから導入した多くの企業に、エンドユーザーが業務に必要なデータにアクセスする仕組みについて相談した。だが、そのような企業はエンドユーザーにシステムへのアクセスを許可していなかった」とキング氏は明かしている。
このような官僚主義的なやり方は創造的な発想や試みを制限する恐れがあるとキング氏は警告する。一部のデータへのアクセスが許可されていたとしても、Walmartのような大企業では、窮屈に感じられる可能性がある。「業務で一部のデータしか使用しない場合、Walmartのような規模の企業では、その一部のデータのみにアクセスできるようにすること自体が可能かどうかを判断するのにてこずることになる。そのため、全てのエンドユーザーが最初からデータにアクセスして、各自の理論を検証できるのが望ましい」(キング氏)
完全に匿名化されたデータセットへのアクセス権を付与する手法は、成果を発揮している。少なくとも、そのようにすることでスタートアップのような試みが促進された一例がある。2人のエンジニアがたった数時間でオンライン広告インプレッションをオフライン販売につなげる広告最適化プラットフォームを考案して開発したのだ。このプロトタイプは、最終的に「Walmart Exchange」となった。
「エンドユーザーがデータにアクセスできるシステムがなければ、このような奇跡的な瞬間が訪れることはない」とキング氏は主張する。
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