“使われない電子黒板”をなくすには「常設化」しかない――青山学院初等部 井村教諭「1人1台タブレット環境」も見据える(1/3 ページ)

普通教室におけるIT整備の最初のステップとして、電子黒板を導入する教育機関は多い。タブレット導入も見据えて電子黒板を整備・運用していくポイントは何か。青山学院初等部の事例を紹介する。

2016年03月24日 08時00分 公開
[神谷加代]

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青山学院初等部 青山学院初等部は、タブレット1人1台環境を見据えたIT整備の一環として電子黒板の活用を進める《クリックで拡大》

 青山学院初等部(東京都渋谷区)は2012年、電子黒板の導入を皮切りにIT整備を本格化した。同校では、タブレットの1人1台体制を将来のゴールに描きつつ、まずは普通教室と一部の特別教室に電子黒板を導入した。その後、4年生を対象にタブレットを試験的に活用するなど段階的取り組みを進めている。

 小学校や中学校のIT整備は、電子黒板やプロジェクターなど大型提示装置の導入から着手し、それから段階的にタブレット導入へと取り組みを広げていくケースが多い。それはなぜか。デジタル教科書や資料の提示、学習者の理解を促すための拡大表示など“見せる”ことが目的のIT活用であれば、これまでの一斉授業のスタイルを大きく変えることなくITを導入できる可能性が高いことが理由の1つだ。

 一方で、タブレット活用の動きが活発化している最近では、電子黒板の導入・活用についても、将来的に学習者がタブレットを活用することを視野に入れて進める必要がある。青山学院初等部も電子黒板を導入した翌年の2013年にタブレットを10台を借用して試験導入するなど、双方向型の授業に挑戦している。本格的なタブレット導入を見据えて、現場ではどのようにITの整備や活用を進めているのか。青山学院初等部の事例を紹介する。

変更履歴(2016年4月6日19時15分)

 記事掲載当初、1ページ目で「青山学院初等部も電子黒板を導入した翌年の2013年にタブレットを10台導入し、双方向型の授業に挑戦している」としていましたが、より事実関係を明確にするために「青山学院初等部も電子黒板を導入した翌年の2013年にタブレットを10台を借用して試験導入するなど、双方向型の授業に挑戦している」と変更しました。

 加えて3ページ目で「1人1台のタブレット環境を試験的に整備している4年生の教室」としていた箇所は、正しくは「4人で1台のタブレット環境を試験的に整備している4年生の教室」です。また「タブレットの1人1台環境を他学年にも拡大する青山学院初等部」としていた箇所は、正しくは「タブレットの4人1台環境を他学年にも拡大する青山学院初等部」です。おわびして訂正します。本文は修正済みです。


導入したのに使われない電子黒板

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