メール誤送信対策:Gmail編
Google Apps利用企業に贈る“今すぐできる”Gmailのセキュリティ対策
Google Appsを利用する際に気になるGmailのメール誤送信対策、メールセキュリティ対策を紹介する。
震災を契機に社内システムをクラウドへ移行する企業が増加している。コミュニケーションツールとして重要度が増しているメールシステムに関しても例外ではない。事業継続とクラウドとの親和性(柔軟性・敏しょう性・コストなど)からメールシステムをクラウド化する企業は今後も増えることが予想される。
利用者数を伸ばしているメールクラウドサービスがGoogle Appsだ。「電子メール(Gmail)」だけではなく、「カレンダー」「ドキュメント」「サイト」など、いわゆるグループウェアの機能が全てSaaSで提供される。10ユーザーまでは無償、有償版でも1ユーザー年間6000円でさまざまな機能を利用できるのは魅力的だ。既に世界で300万社、日本でも、JTB、ガリバーインターナショナル、東急ハンズなど多くの事例が公開されている。
本稿では、Google Appsを利用する際に注意しなければならないGmailのメール誤送信対策、メールセキュリティ対策を紹介する。今すぐできる対策と、Google Appsの付加価値サービスを紹介したい。
メール誤送信対策の必要性
「あっ、しまった!」――誰しも一度や二度はメールでこんな失敗をした経験はあるだろう。「宛先間違い」「Bcc、Cc間違い」「添付ファイルの添付忘れ」……メール誤送信のケースを上げるときりがない。
NPO日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が2011年3月に発表した「情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」によると、業務中にメールの誤送信を経験したことがある人の割合は68.3%に上るという。「うっかりミス」で許される内容ならまだしも、顧客情報を含む重大ミス(情報漏えい)であれば、事故対応費用は莫大になり大きなビジネスリスクとなる。Google Appsを利用するユーザーにおいても同様で、メール誤送信対策は喫緊の課題だ。
今すぐできるGmailの誤送信対策
Gmailには、Google Labsが提供する便利な機能が幾つか実装されている。中でも「送信取り消し機能」は、メール誤送信対策に有効だ。Gmailでメールを送信した後、数秒ほど「取消」のリンクが表示される。そのリンクをクリックすることで、送信したメールを取り消すことができる。添付ファイルの添付し忘れや、書きかけのメール送信など、送信直後に自分自身で気付いたメールの取り消しに有効な機能だ。
また、「酒気帯びテスト機能」を利用してみるのも面白い。酔った勢いでメールを書いたり、寝ぼけたままメールを出したりすることのないよう、メール送信前に、算数のクイズで意識がクリアなことをチェックしてくれる機能だ。利用する時間帯を設定することが可能なので朝、深夜など特定の時間にこの機能を有効にするのもよいだろう。
付加価値サービス(メール誤送信対策、メールセキュリティサービス)を活用する
さらに強固な対策として、Gmailのメール誤送信、メールセキュリティを強化する付加価値サービスなどもリリースされている。付加価値サービスは、Google Appsのメールリレー設定を行い、Google Appsの年額ライセンスに追加費用を支払えば利用できる。
付加価値サービスで実現するメール誤送信対策
今すぐできるGmailのメール誤送信対策は「送信者の気付き」が前提であった。しかし、メール誤送信は送信者への注意喚起だけでは防げない。意図せず発生するメール誤送信事故も多い。Google Apps提供事業者などが用意している付加価値サービスを利用すると「送信者の気付き」に加えて、「第三者承認」や「システム監査」が可能になる。
主なGoogle Apps提供事業者
例えば、メール本文、件名に特定のキーワードを含む場合、メールのサイズ、添付ファイルの有無などの条件でシステムが送信メールを査閲し、必要に応じて上長やシステム部門などの第三者へ承認を求める。第三者の許可が下りないと外部向けメール送信はできない。条件によってはメールの削除、一定期間保留、自動的にCc(上長など)付加なども可能になる。
万一、第三者承認、システム監査をすり抜けて外部にメールが送信されたとしても、添付ファイルをZIP暗号化して送信できる。復号パスワードを宛先に届けない限り、添付ファイルを受信者が開くことはできない。付加価値サービスを利用するとメール誤送信対策の強化につながる。
メールセキュリティ対策の強化
幅広いニーズに即したさまざまなメールセキュリティサービスも、Google Appsの付加価値サービスとして提供されている。例えば、Google Appsはいつでもどこでも利用できるのが大きな利点だが、半面、無制限にアクセスを許可すると危険が伴う。特定のネットワーク(IPアドレス)や許可された端末(PC、スマートフォン、携帯電話)からのアクセスのみを許可する仕組みの構築も必要だ。
付加価値サービスを利用すると、Google Appsへのアクセス制限が可能になる。また、内部統制やGmailのバックアップとしてメールの長期保管を提供するサービスもある。5年、10年といった長期保管に対応し、即時検索も可能だ。さらに、なりすましやフィッシング詐欺に対抗したサービスもリリースされている。Gmailから送信されるメールに電子署名を付加し、メール本文を含めて暗号化して送信するサービスだ。自社に必要なサービスを選択して導入すれば、オンプレミス型と同等のセキュリティ、利便性を兼ね備えたメール環境を構築することも可能になる。
最後に
ここまで、無料で活用できるGmailのセキュリティ機能と事業社から提供されている付加価値サービスを紹介してきたが、最後に大切なことも追記したい。メール誤送信、メールセキュリティ対策の第一歩は自分自身の意識付けだ。宛先は最後に入力してメールを送信する、メール送信前には必ず一呼吸置いて送信ボタンを押す、知らない人からの添付ファイル付きメールは開かない、など、独自のメール誤送信、メールセキュリティ対策を実施する人は大勢いる。日々報道されるメール誤送信、メールセキュリティ事故を他山の石として、まずは自己対策から始めたい。
<筆者紹介>
山本有哉
株式会社HDE サポート&サービス部
HDEでサーバマネジメント製品、メールセキュリティ製品の企画業務を担当。
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