iPadの売上減が背景か
iPhone/iPadが連係する3つのキラーアプリとは? AppleとCiscoの協業を裏読みする
2015年9月に発表された米Appleと米Cisco Systemsの提携。果たしてこれには両社どのような意図があるのだろうか。
米Cisco Systemsの会長であるジョン・チェンバース氏と米AppleのCEOであるティム・クック氏は、月曜日にラスベガスで開催されたCiscoの年次営業会議において、両社がCiscoの技術を使い、企業ネットワークでAppleのデバイスをより効果的に動作させるという計画を立てていると発表した。
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シスコシステムズのUC製品について
この発表には、幾つか興味を引かれる部分があった。1つは、下記のCiscoのコラボレーションツールとAppleのデバイスが、より簡単に連係することを計画している、と幹部が述べたことだ。
- チャットアプリケーションである「Cisco Spark」
- ビデオ会議を開催する「Cisco TelePresence」
- オンラインミーティングサービスである「Cisco WebEx」
もう1つ注目した点は、AppleとCiscoが「iOS」デバイス用の専用高速レーンを作る計画だ。ビジネスに不可欠なアプリケーションが、ビジネスではない使用の時よりも優先して帯域幅を与えられる設定である。例えば病院のネットワークは、同じ病院の患者の猫のストリーミングビデオよりも、Appleのタブレット「iPad」で患者とビデオ会議中の医者に優先権を与える。
しかしうわさ話をかき分けていくと、AppleとCiscoがこれを具体的に実行するための計画をどのように立てるかについて、具体的な内容が乏しいということが分かる。
具体的な内容がないため、今の時点では「この協定はマーケティングごっこにすぎない」と専門家は言う。Appleによるもう1つの試みは、企業におけるApple製デバイスへのユーザーの要望をかき立て、企業向け分野での信頼を強化するというものである。
利益を得るのは誰か
この提携は、クック氏によれば協定を結ぶのに10カ月を要した。「今回のAppleとCiscoの協定は期待が持てそうだ」と産業アナリストは言う。この2つの有名ブランドの組み合わせは、すばらしいマーケティングストーリーを生み出すことは間違いない。しかし、詳細がより明らかになるまで、ビジネスユーザーにとっての恩恵は完全には明白にはならない。
「テレフォニーの最前線に何らかの統合が起こるのは明らかだが、それは革新的なものではない。そして詳細が明らかになるまで、注目の専用高速レーンは疑問のまま残る」と米Gartnerでモビリティアナリストを務めるヴァン・L・ベイカー氏は電子メールで述べている。
一方、米Forrester Researchのプリンシパルアナリストであるアンドリュー・バーテルス氏は、Appleの発表の別の局面に疑問を抱く。すなわち「iOSのデバイスおよびアプリケーションのCiscoネットワークへの最適化」である。
「本当に最適化される必要があるのは何か。恐らく、Ciscoネットワークはデータの伝送と情報の送信という観点から、いかなるスマートフォンデバイスでも稼働するだろう」とバーテルス氏は、ユーザーの利益をおおむね派手な売り込みだと見なしながらも、現時点ではこのように述べている。
「企業の従業員間でのAppleデバイスの使用の人気と連動して、コンシューマー市場でのiPadの売り上げの減少は、この提携に対する大きな要因と考えられる」(同氏)
また、「法人市場において、依然として従業員がAppleブランドに強い魅力を感じている。またこれにより、法人市場で維持することが困難になっている高級感を維持することができる。これはより安価なAndroidデバイスとの競争が原因だ。とりわけ従業員のiPadへの強い要望は、Appleが維持したいと望む市場である」とバーテルス氏は語る。Ciscoは、同様に関連する人気のある有名ブランドの恩恵を受けるが、この実行を支援することができる。
「これは両社にとって良い提携であり、エンタープライズ市場でAppleが信頼性を獲得する助けとなる」とGartnerのベイカー氏は同意する。
CIOの安心
「CIOにとってAppleとCiscoの協定は、2014年のAppleとIBMとの提携のように、Appleが企業のITシステムと調和する意思と能力があるという別の保証になる」とバーテルス氏は言う。依然として多くの企業システムでは、従業員が米Microsoftの「Windows」の入ったデバイスを使用するという前提で設計されている。そのためAppleデバイスを典型的な企業環境で使用するのは困難だという消えない認識がある。こういった種類の提携はその認識を解放する。
「この『協定』は、従業員が使用を望むiOSデバイスをベンダーは必ずサポートし管理するよう取り組む、ということを示す。両社には何の問題もないだろう」とバーテルス氏は述べた。
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