Windowsとクラウドの新時代【前編】
誰もが悩む、Windowsをクラウドで動かすにはどのプラットフォームがベストか?(1/2 ページ)
企業のIT部門はパグリッククラウドの利用に前向きな姿勢を示し、業務の中核となるWindowsベースのワークロードを社外に移行しようとしている。だが、IT部門がこの作業を進めるとき、皆に難しい判断を迫ることになる。
現在、Windows Server(以下、Windows)をクラウドで運用することが当たり前となりつつあるが、移行作業が必ずしもスムーズに進むとは限らない。さまざまな困難があるものの、1つだけはっきりしているのは。パブリッククラウドに理解を示すIT幹部が増えるのに伴い、Windowsで動作するアプリケーションをはじめとして業務の中核となるワークロードが社内からクラウドに移行するということだ。
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Amazon Web Services(AWS)のパートナーで、クラウドを専門とするコンサルティング企業2nd Watchの共同創業者であるクリス・ブリースナー氏は、「Windowsのワークロードをパブリッククラウドで運用するのは、重要性が高いデータとして扱う点で、またSDK(ソフトウェア開発キット)のサポートと運用のサポートという点において、オープンソースのワークロードと同じだ」と語る。ブリースナー氏によると、現在、同社の顧客がAWS上で運用しているワークロードの約半分がWindowsベースだという。これは1~2年前であれば信じられなかったような数字だ。
こうした傾向は基本的に、パブリッククラウドに対する企業の意識が変化したことによるものだ。当初はセキュリティに対する懸念から、多くのITプロフェッショナルは、パブリッククラウドに対して、主にLinuxをベースとするWebアプリケーション向けの環境という認識だった。しかし、現在では、主としてWindowsをベースとする従来型の業務アプリケーションをAWSなどのパブリッククラウドプラットフォームに配備する企業が増えてきた。「人々は全く新しいタイプのWebアプリだけでなく、従来型のアプリケーションもパブリッククラウド上で運用することに抵抗を感じなくなってきた」とブリースナー氏は指摘する。
「MicrosoftもWindowsでクラウドに対応する取り組みを進めており、これが、Windowsのワークロードをパブリッククラウドに移行する動きを後押ししている」と話すのは、451 Researchのアナリスト、カール・ブルックス氏だ。
「Windowsは、Microsoftが世の中に送り出したままの状態で放置して、老朽化してガタがきたようなシステムではない」とブルックス氏は話す。「MicrosoftはWindows Server 2008以降、Windowsを最新にしてきた。Microsoftはアプリケーションの利用と消費をめぐる新たなパラダイムを十分に認識している」
コンテナのサポートやマイクロサービスなどの新技術のサポートという点では、Windows Serverはまだこれからという段階だが、2016年に登場予定の「Windows Server 2016」のリリースはこうした状況を変える(あるいは少なくとも変え始める)だろう。
Windows Server 2016は、「Windows Server Containers」と「Hyper-V Containers」という2つのコンテナを含むだけでなく、クラウドとDevOps(Development & Operations)向けに設計した「Nano Server」という軽量インストールオプションを用意する。Microsoftによると、Nano ServerはWindows Serverの標準構成と比べて仮想HDDのサイズが93%小さい。
ブルックス氏によると、2016年第3四半期にリリースを予定しているWindows Serverの新バージョンでは、オンプレミス環境とクラウド環境との連係も容易になるという。「社内のサーバで実行している処理を外部の既存システムに接続するオプションを随所に用意している。Microsoftはこうした機能を以前から準備してきたが、Windows Server 2016はこの構想を巧みに織り込んだ製品だ」(ブルックス氏)
クラウドでWindowsを運用するのにベストなプラットフォームとは
Microsoftのパブリッククラウドである「Microsoft Azure」(以下、Azure)でWindowsのワークロードを動作するのも1つの選択肢だが唯一ではない。WindowsのワークロードがAzureで動作するのと、AWSや「Google Cloud Platform」などのパブリッククラウドプラットフォームで動作するのでは、多少の違いがあるかもしれないが、それは必ずしも本質的なものではない。
「特に、企業によるパブリッククラウドの利用形態がIaaS(Infrastructure as a Service)に限る場合は、プラットフォーム間の違いは限定的だ」と話すのは、調査会社IDCでサーバとシステムソフトウェアを担当するプログラム担当副社長のアリ・ギレン氏だ。
「純粋かつシンプルなIaaSの利用において、OSもアプリケーションも持ち込み、何から何まで全て自社で管理し、プロバイダに求めるのはクラウドにある仮想サーバの提供だけでいいなら、AmazonとAzureとRackspace、さらに、VMware vCloudの間にある違いを見つけるのは難しい」とギレン氏は語る。
純粋なIaaSという視点から見れば、WindowsのワークロードがAzureで動作するか、Azure以外のクラウドで動作するかというのは、同じ種類のものを比較するようなものだが、PaaS(Platform as a Service)やSaaS(Software as a Service)、あるいは他のプロバイダの製品が絡んでくると違いが現われる。
ギレン氏は「例えば、ビッグデータやIoT(モノのインターネット)を対象としたアプリケーションを使っているのであれば、プロバイダのIaaS環境に目を向けるだけでなく、プロバイダのデータレイク(データを分類、整理せずにそのまま格納するリポジトリ)やアナリティクス機能、データベースのサポートなども検討すべきだ」と忠告する。
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