医療情報の電子保存の3原則としては「見読性」「真正性」「保存性」が長らく意識されてきた。だが情報セキュリティやe-文書法の要件と比べると重要な視点が欠けているのではないか、と筆者は説く。
電子カルテの処理能力は、技術の進化により確実に向上している。しかし、ことデザインに関しては、一昔前のコンセプトを引きずっているように思える。
単に電子化しただけでは結局、誰のためにもならない。あまりに非実用的なシステムに遭遇したことはないだろうか。そうしたシステムとどう向き合い、改善していくべきかを探る。
ある患者の生涯にわたるデータを管理できる電子カルテシステムには、電子保存の3原則を満たし、医療情報の超長期的な一次/二次利用を可能にする機能が不可欠だ。そのシステム要件とは?
電子カルテシステムを導入済み、もしくはこれから導入しようとしている病院はあらためて医療情報システムの運営体制を見直し、医療情報部門の組織化と、医療情報技師などの専任担当者の採用を検討することが重要だ。
電子カルテの家系図は、紙カルテと異なり技術的に可能なことが増えた半面、倫理的に考慮すべき事柄も増えている。真に有用な家系図システムの構築には、まだまだ検討すべき課題が多い。
電子カルテの導入やシステムリプレースなどに悩む医療機関のシステム担当者、電子カルテの開発に携わる人に贈る新連載。エッセイのテーマに沿い、最新の知見とユーザー視点から医療現場の課題への解決策を提案する。