Oracle、SQL Server、OSS以外のデータベース選択肢を考えるデータベース座談会

クラウドやビッグデータ活用が注目される今、データベースへのニーズは多様化している。有名商用データベースやオープンソース以外の製品も選択肢に入れ、本当に自社のニーズに合ったデータベースを選びたい。

2012年06月13日 00時00分 公開
[ITmedia]

 今、データベースの世界は大きな転換期に差し掛かっている。これまでシステム構築やパッケージ開発の現場では、当たり前のように「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」などの商用データベース製品が使われてきたが、既に一部の現場ではオープンソースのデータベースが採用されている。さらに近年ではいわゆる「ビッグデータ」への関心の高まりを背景に、HadoopやNoSQL系データベース技術も注目を集めている。

 しかし、クラウドコンピューティングの台頭やビッグデータへの注目といった昨今のITの潮流は、データベースへのニーズを多様化させている。必ずしも有名製品が自社のニーズを丸ごと受け止めてくれるとは限らない。また、オープンソースやNoSQL系データベースの新しい技術を取り入れるには、自社にそれ相応の技術力が求められる。いざというときのために高額なベンダーサポートを契約するならば、トータルコストの肥大化は避けられないだろう。ではユーザーはどういった基準でデータベースを選べばよいのか。

 今回TechTargetジャパンでは、エージーテックによる商用データベース「Pervasive PSQL」のサポート無償化の発表を受け、データベースの最新事情に詳しい識者2人とPervasive PSQLをほぼ標準的に利用し、多くのアプリケーション開発支援の実績を持つツールメーカーのマジックソフトウェア・ジャパンを招き、座談会を開催した。

 Pervasive PSQLは、人によっては旧製品名の「Btrieve」といった方が通りがいいかもしれない。26年間にもわたって提供され続けるロングセラー製品であり、特にパッケージソフトウェアに組み込まれるデータベースとしてはデファクトスタンダードとして市場を席巻した製品だ。もちろん現在でも数多くのパッケージソフトウェアで実装され、日々ユーザーに利用されている。

 そんな長い歴史を持つPervasive PSQLが、2012年6月の最新バージョンリリース以降、テクニカルサポートサービスを完全無償化するという。データベースはそれが商用のものであれオープンソースのものであれ、本格的にビジネス用途で利用しようと思えばサポート料金が掛かるのは半ば常識とされてきた。この「常識外れ」ともいえるサポート無償化は、ユーザーやパッケージベンダーにどのようなインパクトをもたらすのか。以降で座談会に参加した3人の率直な意見を見ていこう。


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