サーバ仮想化基盤を導入したものの…… “失敗あるある”を事例形式で検証検討不足のA社、スピーディーなB社 その差は一体?

サーバ仮想化はコスト削減と同時に、ビジネスの変化に素早く対応するIT基盤を実現する。だが導入は決して容易ではない。事例形式で検証しながら、陥りがちな落とし穴や、その解決策を紹介する。

2014年05月27日 00時00分 公開
[ITmedia]

 サーバ環境を、欲しいときに迅速に手に入れることができるサーバ仮想化技術。サーバ集約によるコスト削減効果のみならず、ビジネスの変化に素早く追随できるITを実現する上でも、極めて効果的な技術だといわれている、しかし、実際にその導入や拡張に乗り出した途端、旧来の物理サーバ環境の構築では見られなかったさまざまな困難に突き当たることが多い。

 旧来の物理サーバ環境では、ある特定のシステムが物理サーバのリソースを占有していたため、サーバのハードウェアスペックの見積もりを立てやすかった。しかし仮想サーバ環境になると、1台の物理サーバの上で複数の仮想サーバが稼働するため、個々の仮想サーバで必要となるリソースやスペックを、いわば「掛け合わせて」物理サーバ全体のスペックを見積もらねばならず、さらに将来的な拡張性も考慮するとなると、インフラの設計やサイジング作業の難易度は飛躍的に高まる。

 また、仮にハードウェアスペックのサイジングができたとしても、サーバとストレージ、SANスイッチなど、各機器間の「相性」をチェックするために、事前の動作検証が欠かせない。この作業に関しても、物理環境よりシステム構成が複雑になりがちな仮想環境では、どうしても工数がかさみがちだ。結果として、ビジネス変化に素早く追随できるどころか、インフラを構築するだけで膨大な手間と時間を費やしてしまうという、本末転倒の状況に陥ってしまう。

 ではこうした問題を回避し、迅速かつ確実な仮想化インフラ導入を実現するには、どうすればいいのだろうか? 極めて有効な解決策の1つを、事例形式で分かりやすく紹介しよう。


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