クラウド移行の課題に「セキュリティ」を挙げる企業は多い。こうした中、クラウドの特性を生かし、新しい時代のセキュリティ対策を模索する動きが始まりつつある。その具体像を追う。
これから何らかのシステム構築や更新を検討する際、コストや柔軟性、拡張性といったメリットを考えると、クラウドという選択肢を抜きにするのはナンセンスだ。「クラウドファースト」という言葉まで生まれているほどである。だがその際、多くの企業が心配する問題がある。それは「セキュリティ」だ。
例えばTechTargetジャパンが2012年に行った調査では、クラウド導入に意欲を示す企業が3割に上る一方で、パブリッククラウド導入時の懸念や課題として、「クラウド事業者による情報漏えい」(62.6%)や、「ネットワークを介した第三者からの不正アクセス」(51.9%)を挙げる声が目立った。
この傾向は海外でも同じだ。米IBMが約150人のCIOを対象に行った調査によると、回答者の85%がクラウドへの移行を検討しているが、その半数がセキュリティに対し懸念を示している。顧客は、セキュリティ抜きでクラウドに移行するなど恐ろしいことだと考えているということだ。
このように、セキュリティの懸念がクラウド活用のハードルとなる中、むしろクラウドを積極的に活用して、これからの時代に求められる新たなセキュリティの実現を模索する動きが現れ始めた。その具体像を示す。
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