ついにスタートしたマイナンバー制度。その一方で、いまだにその対応に頭を悩ませていたり、不安を残している中堅・中小企業も少なくない。思い切ったシンプルな発想が、解決のヒントになる。
2016年1月1日、ついにマイナンバー(社会保障と税の共通番号)制度が始まった。自治体などの各種申請手続きでは、一人一人に配布された12桁のマイナンバーの記入が必要になった他、顔写真付きICカード「個人番号カード」の発行も開始される。企業でも同様に、源泉徴収票をはじめ、税や社会保険に関連する書類の一部に従業員のマイナンバーを記載する必要が生じる。
ここで企業にとって頭が痛いのは、従業員から収集したマイナンバー情報の管理だ。制度の開始に伴って、マイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」と位置付けられた。目的外利用や第三者への提供が制限されるのはもちろん、漏えいなどがないよう安全管理措置を講じることが求められる。つまり、適切に収集し、セキュリティ対策を講じる必要があるというわけだ。
さて、マイナンバー制度への対応状況を見ると、大手企業では比較的対応が進んでいる一方で、中小規模の企業ではまだまだというところも少なくない。信金中央金庫が2015年12月24日に公表した「第162回全国中小企業景気動向調査」によると、マイナンバー制度に「あまり対応できていない」と回答した中小企業は45.3%、「まったく対応できていない」との回答も14.9%に上った。つまり、6割以上の中小企業では十分な対応ができていないという状況だ。
個人事業主に近いごく小規模な事業者ならば、USBメモリやノートPCなどに当該データを保存し、肌身離さず持ち歩くという方法で管理することもできるだろう。だがそれでも、紛失や盗難といったリスクからは逃れられない。数人〜数十人であっても複数の従業員がいる場合には、内部犯行に備える必要もある。かといって、大手企業向けの大掛かりなシステムを構築するのは大げさ過ぎる。あまり手間をかけずに導入できる、中堅・中小企業にほどよいサイズで、誰にも分かりやすい解決策はないのだろうか。具体策に迫る。
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