1年以内に「Windows 10」移行が6割超、調査から見えた企業のクライアント環境クライアント環境に関する調査レポート

キーマンズネットとTechTargetジャパンは2017年9月、クライアント環境の利用状況に関するアンケート調査を実施した。本レポートでは、その概要をまとめた。

2017年12月01日 10時00分 公開
[荒井亜子TechTargetジャパン]

 キーマンズネットとTechTargetジャパンは2017年9月6日から22日にかけて、両会員を対象に「クラウドインフラに関する読者調査」を実施した。調査結果からは、「Windows 10」への移行状況、クライアント端末の選定基準が見えてきた。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したレポートは、文末のリンクから会員限定で閲覧可能)。

調査概要

目的: キーマンズネット会員とTechTargetジャパン会員のクライアント環境の利用状況について調査するため

方法: Webによるアンケート

調査対象: キーマンズネット会員およびTechTargetジャパン会員

調査期間: 2017年9月6日から22日

総回答数: 377件

※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


クライアントOSのメインストリームはWindows 7

 使用しているクライアント端末の種類を問う設問では、「ノートPC」(91.5%)が1位と、「デスクトップPC」(83.8%)を上回る結果となった。近年、事業継続計画(BCP)や働き方改革、オフィスのフリーアドレス化など、従業員の働く場所や手段が多様化する傾向にある。こうした背景から、持ち運びが容易で変化に対応しやすいノートPCが主流になりつつあるようだ。

 使用しているOSでは、トップの「Windows 7」(84.4%)に次いで「Windows 10」(59.4%)の利用が多く、Windowsが根強い人気である。Windows以外のOSでは、スマートフォン/タブレット用の「iOS」(31.0%)と「Android」(15.7)が上位にランクイン。AppleのデスクトップOSである「macOS(Mac OS X)」(10.6%)は、iOSやAndroidよりも低い割合にとどまった。このことから、業務で利用しているメインのクライアント端末はWindowsのPCだが、iOSやAndroidのタブレット端末も併用しているというケースや、2-in-1タイプの端末をメインで利用しているというケースも多そうだ。

図1 図1 使用しているクライアント端末のOS(n=377)《クリックで拡大》

Windows 10の導入に対する課題・懸念点

 2015年7月29日に一般提供を開始した「Windows 10」は、リリースから2年がたち、どのくらい企業に浸透したのだろうか。Windows 10の導入状況を尋ねた設問では、「既にWindows 10を導入している」は46.7%と、過半数に迫っている。1年以内に導入予定と回答している割合は6割を超えることが分かった。

 多くの企業は、ここ数年「Windows XP」からWindows 7への移行作業に労力を費やしてきたはずだ。Windows 7に移行したこれらの企業は「Windows 8」と「Windows 8.1」を飛び越して、Windows 10へ直接移行することが予想できる。

 一方で、Windows 10導入に及び腰になっている企業もある。その理由の多くは、既存の業務アプリケーションやクライアント端末との互換性や、Windows Updateに関するものだ。Windows 10はこれまでのWindowsとは異なり、恒久的な更新システムを採用している。懸念されるWindows Updateに関しても、テストなどの猶予期間を設ける「Current Branch for Business」(CBB)や既存バージョンを長期にわたって使い続けられる「Long Term Servicing Branch」(LTSB)といった企業向けの対策も用意されているので、適宜選択していきたい。

図2 図2 Windows 10の導入に対する課題・懸念点(n=377)《クリックで拡大》

端末選びはトータルコストを重視する傾向

 今後、業務用のクライアント端末の選定では、どういった点が重視されるのか。これについては、スペックや耐久性、サポートなどの項目を退けて、83.3%が「導入・運用コスト」を気にして選ぶという結果になった。自由回答では、「クライアント端末の保守管理に手間が掛からないようリモートデスクトップや仮想デスクトップインフラ(VDI)を利用したい」といった声も多く寄せられた。もはや1人当たりの端末台数が複数台という企業は珍しくない。クライアント端末を選定する際は、ハードウェアの面だけでなく、利用者とIT管理者の双方にとって利便性が高く、セキュアでコストを抑えた運用管理の視点も求められる。


 その他、回答者の詳細な属性、Windows 10導入をきっかけに検討したい製品/機能、クライアント端末の更新時期、今後使用したいクライアント端末のメーカーなど、本稿で紹介できなかった内容も含めた調査レポートの完全版を提供している。以下から詳細なアンケート結果が無料ダウンロードできるので、ぜひ確認していただきたい(TechTargetジャパン会員限定)。

読者調査レポート

「クライアント環境」に関するアンケート

TechTargetジャパン会員とキーマンズネット会員を対象に、企業の「クライアント環境」に関する読者調査を実施した。本レポートは、使用しているクライアント端末の種類、「Windows 10」の利用状況、クライアント端末の選定基準などをまとめている。