Microsoft vs. 中国――Windows 8スパイ疑惑は泥沼化XPサポート終了撤回拒否への報復

「MicrosoftがWindows 8を使って中国人の個人情報を収集している」とする中国に、Microsoftが反論。真っ向から衝突する両者の主張に落としどころは見つかるのか?

2014年07月18日 08時00分 公開
[Warwick Ashford,Computer Weekly]
Computer Weekly

 米Microsoftは、同社がWindows 8を利用して中国の一般市民の個人情報収集をもくろんでいるとする中国側の主張に対抗するため、ソーシャルメディア上でキャンペーンを開始した。

Computer Weekly日本語版 7月16日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 7月16日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 中国中央テレビ(CCTV)が先日放映した中国政府公認のニュース番組で、Windows 8は中国のサイバーセキュリティにとっての脅威であり、Microsoftは米国政府に協力しているのでこのOSを使ってはならないと報道された。

 番組では、Windows 8はサイバーセキュリティに注力している中国政府に対する「大きな挑戦」であるとする、復旦大学の楊民教授の発言が紹介された。

 「MicrosoftはWindows 8以降、ソースコードを中国政府に公開しなくなった」と楊教授は語る。「そればかりか、Windows 8のセキュリティの仕組みは、同社がユーザーのデータベースにアクセスしやすいような設計となっている」

 また、中国工程院(中国政府の技術分野の研究機関)に所属する倪光南氏は、次のように語る。「ユーザーの身元情報、ユーザーが所有する各種口座の情報、知人の連絡先リスト、電話番号などが(Microsoftに把握されて)、全てビッグデータの分析に利用される」

 英メディアBBCの記事によると、このテレビ報道は、政府機関で使用するコンピュータにWindows 8を搭載することを中国政府が禁止すると発表した数日後に行われた。さらに中国のメディア各社はハイテク企業について、米国政府の諜報活動に協力した企業は厳罰に処するべきだと主張している。

 IT関連の米国のニュースサイトNeowin.netの報道によると、中国政府による反Windows 8のキャンペーンは、(中国当局が期待する)Windows XPのサポート終了の撤回をMicrosoftが拒否したことへの対抗措置だという。

 13年もの長きにわたって利用されてきたWindows XPは、今でも中国では広く使われている。そのため中国当局はサポートを延長するように圧力をかけてきたが、中国で利用されているWindows XPの90%は正規版ではないとMicrosoftは主張している。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...