ソフトウェアの長期的な戦略活用を考える!IT資産価値向上のためのパッケージ活用【後編】

日本企業でもM&Aが日常的に行われるようになり、すでに多くの企業はビジネスをグローバル横断的に展開している。このようなビジネス環境の急速な変化が、エンタープライズ・アプリケーションにどのような影響を与えているのかを考えてみたい。

2006年12月01日 00時00分 公開
[TechTarget]

日本オラクル株式会社

アプリケーションマーケティング本部

アプリケーション推進部 ディレクター

大本 修嗣氏

【専門分野:業務アプリケーション全般】

国内SI会社にて、金融顧客向けにメインフレームなどのシステム構築プロジェクトに従事したのち、1996年に日本オラクルへ入社。以来、一貫してオラクルのERPパッケージ「Oracle Applications」に関する製品リリース、販売企画、営業推進などを担当。現在は、買収製品を含むあらゆるOracle Applicationsの製品マーケティングを担当。


 昨今、アプリケーション・パッケージの活用を念頭に置いた基幹システム構築の検討が一般的となっている。しかし、せっかくパッケージを選択したプロジェクトであっても、いまだに「アドオン」と呼ばれる追加開発は減らない。業務システムが情報テクノロジーを活用し始めてから数十年が経っており、たいていの業務プロセスは、すでにどこかで誰かがシステム化、パッケージ化しているはず、と考えてもおかしくない。

 アドオンが不可避な場合もあるだろうが、むしろ業務プロセスのシステム化を一から考えることは、将来のリスクや負債を抱える要因にすらなっている。独自に作ったシステムを継続的に保守・運用・管理するのは誰なのか? そのプロセスの内容・正当性を保証してくれるのは誰なのか? パッケージを適用するということは、これらの諸問題を解決する合理的な手段である。