Column
優先課題に照準を合わせ、ばかげた業務はやめよう
数少ない不可欠なIT業務機能を常に提供し、ばかげた業務を廃止することができれば、CIOとしてうまくやっていけるだろう。
そろそろ自問してはどうだろうか――「IT部門が提供する最も重要な機能は何だろうか、そしてIT業務としてまったくばかげているのは何だろうか」と。
CIOに最近就任した人がわたしに助言を求めてきた。「CIOとして成功するにはどうすればいいのか」というのである。わたしは自分自身の経験を引き合いに出し、これまでやらかした(そして今後もやらかすであろう)数々の失敗について話した。そして、出発点として次のようなアドバイスを与えた。
- 会社がIT部門に対して求めている数少ない不可欠な業務を特定する。そして、それらをできる限り迅速かつ完璧に提供すること
- IT業務としてばかげているものをリストアップし、優先順位を付ける。リストの上位にあるばかげた業務をやめること
では、ITタスクのリストの中で、IT部門が提供すべき数少ない不可欠な機能を特定するにはどうすればいいのだろうか。また、廃止すべきばかげたIT業務を洗い出すにはどうすればいいのだろうか。
わたしは、従業員の話に耳を傾けることによって、数少ない不可欠な業務を特定する。彼らのビジネスチャンスはどこにあるのか、彼らが最も苦労している問題は何か、彼らの優先課題は何か、といったことを聞き出すのである。こうして作成したリストから、ポートフォリオ/プロジェクト管理のベストプラクティスを用いて、最も直接的かつ大きな影響をもたらすITタスクを選び出す。次に、これらのタスクに適切なリソースを割り当てるのだ。不可欠なIT機能を提供するのに役立つもう1つの方法は、優先順位を付けることができる小さなフェーズにプロジェクトを分割することである。そうすることにより、最も価値の高いメリットをできる限り早急に提供できるようにするのである(最初のプロジェクトが100%完了する前にほかのプロジェクトにリソースを割り当てることもある)。
わたしは、以前勤務していた会社でこのアプローチを採用し、マーケティングの精度を高める上で特に重要な幾つかの業務目標の1つを特定した。マーケティング担当副社長はマーケティングの効果に関心を抱いており、CEOはコストを気に掛けていた。われわれはターゲティング能力を改善し、マーケティングの因果関係を明確にするツールを両者に提示した。しかしわれわれは、最も重要なソリューションから取り掛かるのではなく、顧客のセグメント化という最初のステップから作業を開始した。これは、ターゲティング能力を大幅に改善しただけでなく、より大きな目標に向けた直接的な前進にもつながった。
ばかげた業務を中止するための最初のステップは、何がばかげているのかを明確にすることである。わたしは、リーン生産方式(無駄を徹底的に排除した生産方式)の原則をガイドラインとして採用した。自社の顧客にとっての価値を生み出すのは何かという視点に立ち、ITのプロセス、ルール、業務慣行が直接的に価値を生み出しているかどうか検討した。
例えば、一緒に仕事をしていたITディレクターは、自分の担当部門でのIT関連の購入リクエストすべてを自分でチェックしていた。CFO(最高財務責任者)が携帯電話を要求した場合、ITディレクターは発注前にそのリクエストをチェックした。この手続きのせいで、購入プロセスが本来よりも数日間余計に掛かっていた。不満を抱いた従業員が、IT機器の購入に非常に長い時間が掛かるのはなぜかと言ってきたのを機に、わたしはそのITディレクターと一緒に購入プロセスをつぶさに検討した。
購入プロセスの個々の手順を検討する中で、あらゆるリクエストをチェックするという手順について話し合い、なぜITディレクター自身がわざわざチェックする必要があるのか質問した。ITディレクターの説明によると、従業員が適切な機器を購入するようにするために彼の承認が必要だという。「しかし購入プロセスには、承認された機器のカタログから注文するという規定が含まれているのではないのかね?」とわたしは尋ねた。「いや、わたしが予算を管理するには、自分でチェックする必要があるのだ」とITディレクターは反論した。「しかし購入費用はリクエストを出した部署の予算から出るのだから、予算管理はその部署の責任だろう?」とわたしは問いただした。ITディレクターは、購入リクエストをチェックしていたのは、何が起きているのか把握するため(言い換えれば、IT部門が把握していると見なされるようにするため)であることを認めた。わたしは、彼がばかげた業務を見つけ出したことに祝辞を述べ、その業務は廃止されることになった。
数少ない不可欠なIT業務機能を常に提供し、ばかげた業務を廃止することができれば、CIOとして何年にもわたってうまくやっていけるという確信がある。
本稿筆者のニール・ニコライセン氏は元CIOであり、現在はユタ州サウスジョーダンのエネルギー/建築関連製品会社、ヘッドウォーターズで戦略プランニング担当副社長を務める。
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