ジヤトコがサプライヤを巻き込んだ品質改善のための仕組みを採用。拠点・企業をまたぐ品質情報共有で競争力強化を図る。
ジヤトコが新たにグローバル品質管理システムを構築、地域・企業横断で品質情報を共有するシステムを2011年11月から本稼働させた。本システムは同社への部品納入企業への展開も視野に入れたもの。2011年11月15日にシステム構築を担当した富士通が発表した。
ジヤトコでは、取引先自動車メーカーの海外進出に併せて各国に製造拠点を置いているが、製造拠点ごとの品質問題を解決するためには、バラツキなどの品質情報を拠点をまたいで共有する必要がある。また、自社内で問題が解決するとは限らず、部品納入元のサプライヤと情報を共有し、原因追究を進めなくてはならない。企業ドメインをまたぐ情報共有はシステム上の課題が多く、事業規模の小さなサプライヤにも相応のコスト負担がある点もサプライチェーン全体での品質情報共有の課題だった。
品質管理システムの構築に際し、ジヤトコでは、SAPが提供する「SAP BusinessObjects BI OnDemand」を採用している。システム構築、システムインフラ提供は富士通が担当した。SAPと富士通は、同社へのシステム提供を機に共同でSAP BusinessObjects BI OnDemandを日本語化している。
SAP BusinessObjects BI OnDemandはSAPが提供する分析ツール。多次元自由分析などの各種分析機能を持ち、レポート機能や、ダッシュボード表示機能も提供する。マルチテナントでの運用が可能なため、部品提供元サプライヤ側の負担が少なくて済む。同製品は「セルフサービス型」をうたっており、分析担当者に依頼を出すといった業務フローを経なくてもユーザー自身が必要な情報を得られる点も特徴の1つとなっている。SaaS型のため、比較的事業規模の小さな企業でもシステム投資負担が少ないため導入しやすい。
ジヤトコでは、同システムを今後順次同社のサプライヤ企業にも展開していくとしている。
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