Salesforceのデータを暗号化したまま検索可能、NTTソフトウェアが新サービスNEWS

クラウドに預けたデータを暗号化したまま検索/ソート可能にする――。NTTソフトウェアは、こうした機能を備えたクラウド向け暗号化製品「TrustBind/Secure Gateway」を発表した。

2013年03月06日 20時20分 公開
[鳥越武史,TechTargetジャパン]

 NTTソフトウェアは2013年3月6日、「Salesforce CRM」をはじめとするセールスフォース・ドットコムのクラウドサービスを対象に、データの暗号化を自動実行する製品を発表した。4月1日に提供を開始する。暗号化するデータを項目単位で選択したり、データを暗号化したまま検索やソートができるのが利点だ。

 発表した「TrustBind/Secure Gateway」は、ユーザー企業のLANとファイアウォールの間の安全な領域であるDMZに設置するゲートウェイサーバである。従業員の端末からクラウドサービスへデータを預ける際、TrustBind/Secure Gatewayがデータを自動的に暗号化する。

 暗号化されたデータを読み出す際は、端末からTrustBind/Secure Gatewayを介してクラウドサービスへ接続。暗号化されたデータをTrustBind/Secure Gatewayで復号し、端末へ表示する。直接クラウドサービスへアクセスした際は、暗号化されたデータは復号されない。これにより、「社外からの不正なクラウドサービスの利用を防止できる」(NTTソフトウェア クラウドインテグレーションビジネス推進部長の小泉信義氏)。

 暗号化をするかしないかは、氏名や住所といったデータ項目(フィールド)ごとに選択可能だ。ユーザー企業が独自に設定したカスタムフィールドについても暗号化対象にできる。暗号化方式は、以下の4つの方式から選択可能である(表)。暗号化形式によって、日本語の完全一致検索や部分一致検索、ソートの可否が変わる。「ソート可能方式の場合、暗号化強度は他の形式よりも劣る」(小泉氏)。暗号化ライブラリには、エアーが開発した「WISE Encrypt」を採用した。

表:TrustBind/Secure Gatewayで選択可能な暗号化方式
暗号タイプ 日本語完全一致検索 日本語部分一致検索 ソート 説明
通常方式 × × AES暗号化方式によるデータ暗号化を実施
検索可能方式 × 暗号化したまま日本語検索が可能
ソート可能方式 暗号化したまま日本語検索とソートが可能
メールアドレス型方式 × × メールアドレスの暗号化用

 Salesforce CRMが持つメール機能を利用する際は、Salesforce CRMの設定で、リレーサーバとしてTrustBind/Secure Gatewayを指定することが必要となる。これにより、暗号化されたメールアドレス宛てのメールを送信する場合、TrustBind/Secure Gatewayでメールアドレスを復号してからメールを送信できる。

 米salesforce.comは、英語圏においては暗号化オプションである「Data Residency Option(DRO)」を提供している。ただし、「暗号化データの日本語検索ができないなど、日本語圏では提供が難しかった」(セールスフォース・ドットコム専務執行役員の保科 実氏)という。今回、日本語検索が可能なTrustBind/Secure Gatewayの提供を機に、「TrustBind/Secure Gatewayを“日本語版DRO”という位置付けで訴求していく」(同氏)。

 TrustBind/Secure Gatewayは、NTTソフトウェアに加え、セールスフォース・ドットコムのパートナー経由で販売する。現在保護可能なのはセールスフォース・ドットコムのクラウドサービスのみだが、NTTソフトウェアは、NTTグループなど他社のクラウドサービスも順次保護可能にしていく計画だ。最小構成のライセンス料金は、1ID当たり月額1000円(税別)。個人情報や機密情報をクラウドで扱う金融御油や製造業を中心に訴求し、2016年までに10億円の売り上げを目指す。

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