「社内ユーザーを説得できないから、ファイルサーバ統合は無理」と諦めてはいないだろうか。諦めることは許されないし、諦める必要はない。テクノロジは大きく進化してきているのだ。
ファイルサーバの統合は、これまで多くの企業で検討されたり、実現に向けた取り組みが進められたりしてきた。しかし、実際にはうまく進んでいない。
多くの企業では、部署や拠点ごとに、ファイルサーバがばらばらに立てられ、ばらばらに管理されてきた。だが、近年ではその弊害が、さまざまな形で表面化してきている。
まず、一部の部署や拠点では、ファイルデータの業務における重要性が高まり、ファイルサービスの可用性が問われるようになってきた。また、事業継続計画(BCP)や災害対策(DR)で、重要なファイルデータを対象に含めようにも、ばらばらに管理されていてはやりようがない。さらに最近では、技術情報など、企業の機密情報を狙った不正アクセスの事例が急増していて、攻撃手法も高度化している。このためセキュリティ上も、管理を一元化するとともに、自社にとって重要な情報を確実に保護する必要性が高まっている。
だからこそ、情報システム部門はファイルサーバ統合をしなければならない。しかし、ファイルデータの管理を情報システム部門に移行しようとしても、利便性が損なわれることを嫌うユーザー側の抵抗に遭い、ファイルサーバ統合が進められなかった経験から、中断してしまったケースは多いはずだ。その結果、情報システム部門がその存在すら気が付かない部門が勝手に構築してしまったファイルサーバや、外付けHDD装置などが乱立し、さらにファイルサーバ統合が難しい状況となってしまった。
しかし、ファイルサーバ統合を諦めることは許されないし、諦める必要もない。IT技術が進化し、ユーザー部門の懸念にも対応できるようになってきたからだ。
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