多様なサービスが登場し、適用範囲が広がりつつあるIaaS。だが、シャドーITの問題など利用には注意すべき落とし穴もある。企業が検討すべきポイント、サービスに求められる要件などについて、ITRの金谷敏尊氏に聞いた。
CPUやストレージ、OSなど、システムに必要なインフラリソースをサービスとして提供するIaaS(Infrastructure as a Service)の利用が拡大している。
IT調査・コンサルティング会社であるアイ・ティ・アール(以下、ITR)の調査によると、国内PaaS(Platform as a Service)/IaaS市場の2012年度の市場規模は841億4000万円、前年度比45.3%増と大幅な伸びとなった。2013年度は前年度比39.0%増と引き続き大きな成長が見込まれると予想しており、1169億5000万円にもなるという。2012年度から2017年度までの年平均成長率は25.7%、市場規模は2600億円を超えると予測されている(図1)。
「最近はバックオフィス系の業務システム、さらには基幹システムまでをIaaS上で稼働させるケースも珍しくなくなってきています」とITRのプリンシパル・アナリスト、金谷敏尊氏は説明する。
その背景には、信頼性の向上や低価格化が進んでいることが挙げられる。特に価格面では、サーバの高性能化により、1筐体当たりの集約度が向上。より多くの顧客を収容できるようになってきていることや、IaaS市場の拡大によってスケールメリットが高まっていることが、コストメリットとして顧客に還元されている。
一方、IaaSを利用する上では、幾つかの注意点がある。企業は今、何に注意し、どのような視点でサービスを選定していけばよいのか。次項で詳しく説明しよう。
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