IBMのx86サーバ事業を買収したLenovoの対HP、Dell戦略を読むLenovoの次の一手は?

IBMのPC部門に続き、同社のx86サーバ事業を買収したLenovo。x86サーバ市場の覇権を確立するため、Lenovoは次にどう動くのか? ライバルであるHPやDellを攻略する戦略とは?

2014年03月18日 08時00分 公開
[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 米HPを意識した中国Lenovoの進撃が始まっている。米IBMのx86事業を約26億ドルで買収したLenovoは、サーバ製品の価格を強気に設定して顧客獲得を目指す気配だ。

 Lenovoのヤン・ユワンチン会長兼CEOは次のように語る。「正しい戦略と優れた行動力、絶えることないイノベーションとx86事業への明確な姿勢があれば、この事業を長期にわたってうまく成長させていくことができる。このことはPC事業で全世界に実証済みだ」 PC市場でLenovoはHPと首位の座を争う世界最大のPCメーカーとなっている。米調査会社のGartnerの調査によると、2013年第4四半期のPC市場のシェアはLenovoが18.1%で首位に立ち、HPが16.4%、米Dellが11.8%と続いている。

Computer Weekly日本語版 3月5日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 3月5日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。


 Gartnerは、2013年12月発行のLenovoブランドの強度指数についての報告書に次のように記している。「LenovoはIBMのPC事業部門(PCD)を買収したことで、プロ仕様PCでは最高のR&Dチームを手に入れた。LenovoはこのR&Dチームの強みを生かし、企業のニーズを満たす革新的なクライアントデバイスを発表している。商用PC分野でのテクノロジーイノベーションは、Lenovoブランドのイメージを確実に高めている」

 Computer Weeklyの姉妹誌MicroScopeが以前報告したように、Lenovoはサーバ事業の拡大を画策している。IBMのx86サーバ事業買収は、Lenovoの信頼性を高め、PCサーバ市場への足固めになるだろう。しかし、IBMは2013年第4四半期にサーバ出荷台数の大幅減(2012年比37%減)を経験したとGartnerは見ている。

Lenovoはサーバの低価格競争を画策

 Lenovoはこの買収により市場のライバル(特にHPやDell)を低価格競争に巻きこみ、PC市場での成功を再現しようともくろんでいる。

 Gartnerのアナリスト、エロール・ラジット氏は、「Lenovoには、IBMのサーバ事業モデルの効率を上げ、利幅を増やし、価格競争力を高めるチャンスがある。その上、台湾Quanta Computerや台湾Wywinnなど、オリジナルデザインのメーカーとも競争できる低コスト製品を提供できる」と語る。

 同氏は、FacebookのOpen Compute Platformや中国AlibabaのProject Scorpioを引き合いに出し、Lenovoはスケールアウトデータセンターの設計を目的とするオープンソースハードウェアを目指す可能性があると指摘。そうすることでオープンソースデータセンターハードウェアを構築、販売し、大手サプライヤーに対して価格の優位性を維持できると見ている。

 「市場にはこの種のモデルに対する強い要求があり、低価格で提供しても独自性を打ち出せないことがLenovoの課題だ」とも同氏は語る。

IBMとのパートナーシップがLenovoの強み

 一方、この買収はLenovoがIBMのアプライアンス戦略の推進役を担うことを意味する。x86サーバ事業の買収により、LenovoとIBMは戦略的パートナーシップの締結を画策している。このパートナーシップには、全世界での製造と販売の契約が含まれている。LenovoはIBMのエントリレベルのミッドレンジ向けStorwizeディスクストレージシステム、テープストレージシステム、General Parallel File Systemソフトウェア、SmartCloud Entryサービスに加え、IBMシステムソフトウェアポートフォリオに含まれるSystems Director製品やPlatform Computing製品などを販売する予定だ。

 IDCヨーロッパのサーバ調査部長、ジョルジオ・ネブロニ氏は次のように述べている。

続きはComputer Weekly日本語版 3月5日号にて

本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。


Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー

Computer Weekly日本語版 2月19日号:次世代ホットスポット「NGH」徹底解説

Computer Weekly日本語版 2月5日号:仮想化コストを増大させる勘違い

Computer Weekly日本語版 1月22日号:Amazon Web Services vs. Google


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news199.jpg

Yahoo!広告における脱デモグラフィックの配信・分析を実現 電通が「DESIRE Targeting」を提供開始
電通の消費者研究プロジェクトチームは、消費者を理解し、Yahoo!広告の配信や分析を実施...

news132.jpg

生成AIを業務で使わないマーケターはもはや3割以下 御社はどうする?
HubSpot Japanが日本で実施した調査によると、日本のマーケターの8割以上が従来のマーケ...

news168.jpg

新富裕層の攻略法 「インカムリッチ」の財布のひもを緩めるマーケティングとは?
パワーカップルの出現などでこれまでとは異なる富裕層が生まれつつあります。今回の無料e...