最先端のパブリッククラウドから読み解く“理想のクラウド運用モデル”とはこれからのクラウド選定の指針を探る

パブリッククラウドを導入する際、コンプライアンスや通信遅延の観点からも日本国内のデータセンターを利用するメリットは大きい。クラウド選定の核心は、その前提の先にどのような付加価値を得られるかにある。

2014年05月12日 00時00分 公開
[ITmedia]

 日本企業の間にも“クラウドファースト”の考え方が浸透し、パブリッククラウドの利用が拡大している。

 かつてのパブリッククラウドは、データがどこで運用されるか分からないという不安から、利用に二の足を踏む企業が少なくなかった。昨今では、日本国内のデータセンターでの運用を明示するベンダーも増え、コンプライアンス上の問題が解消されたこともあって、パブリッククラウドの普及を後押ししている。

 しかし、ここであらためてパブリッククラウドを利用する意義を考えたい。日本国内にデータセンターがあれば、それだけで安心なのだろうか。結局、従来のホスティングサービスを利用しているのと大差ないといったケースが少なくないのではないだろうか。

 パブリッククラウドを利用する目的は、単にシステムの運用管理を社外データセンターに移し、コストの削減や省力化を実現するだけではない。オンプレミスでは導入が難しかった先進的なアーキテクチャやテクノロジーなどの付加価値を得て、自社システムのモダナイゼーションや業務のイノベーションに結び付けていくことにあるはずだ。

 この本質に立ち返り、これからのパブリッククラウド選定の指針となる“理想のクラウド運用モデル”を考察してみよう。

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