英国のグラインドボーンオペラハウスは、200人の職員が利用するメールや業務ワークフローなどのアプリケーションとストレージを、米GoogleのGoogle Appsに移行した。
1934年、イーストサセックス州に設立された英グラインドボーンオペラハウスは、これまで米MicrosoftのMicrosoft Office、SharePoint、Exchangeを利用していた。だが、その環境が作業量の増大の需要に対応しきれなくなった。モバイル端末上での作業が増えてきたことも、従来システムの課題の1つだった。また、IT部門がMicrosoftアプリケーションの保守にかける時間が増えて、1カ月のうち丸3日間にも及ぶことがあった。しかも一部の保守作業は専用マシンで実行しなければならないため、手順の複雑なリモートアクセスプロセスを実行することもあった。
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同オペラハウスでIT部門の責任者を務めるリチャード・ウェルズ氏は次のように語る。「組織力を高めるための(ITシステムを改善する)ニーズがあると気づいた。SharePointベースのイントラネットを運用してかなり年月がたったので、システムを更新することにした。ユーザーインタフェースが自分たちのやりたい作業にあまり合っていないと、ユーザーは感じていたと思う」
スタッフ間のコラボレーションの機会が増えてきたことで、SharePointの弱点が目立つようになった。例えばファイル検索、メールとの連携、ある資料に関連するデータの取得などだ。扱うデータには、楽譜、音声データ、映像データ、Word文書、Excelスプレッドシートなどがある。
ウェルズ氏は次のように語る。「何しろ、あるユーザーが自分のMicrosoft Officeをアップデートした場合、ユーザーによって利用しているOfficeのバージョンが違うことになる。OfficeはSharePointと統合しているので、SharePointとの統合のされ方がユーザーによって変わってくる。このため、ユーザー間で共通のエクスペリエンスを共有できなくなっていた」
そんなあるとき、ウェルズ氏は「昔からよくいわれる、脳内に電球がパッと灯る」ひらめきを得た。
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