手間が掛かるだけでなく、内部統制上のリスクもある現金による経費精算。システム化を検討しても現場の反対で頓挫することが多いこの業務を効率化するには? 現場も納得する最適なシステムを、漫画を交えて紹介する。
月末に差し掛かると、途端にピリピリムードが漂う経理部門。ただでさえ月次決算業務が集中し、仕事の負荷が高まるこの時期に、たまった経費精算などが持ち込まれた日には、もうパニック寸前だ。しかも近年では、決算早期化や内部統制強化といった社会的要請から、経理部門に掛かる負荷は年々高まるばかりだ。せめて、経費精算処理の業務を何とか軽減することで経理部門の仕事を少しでも楽にできないものか?
特に中堅・中小規模の企業において、こうした悩みを抱えるケースが多いようだ。というのは、こうした会社ではオフィスに現金の入った金庫を常備し、小口の経費精算はその場で現金精算することが多いのだ。これは、外回りの多い現場の営業マンにとっては便利な制度である半面、金庫を管理して精算処理にあたる事務の社員や、経理部門の社員にとっては大きな負担となる。
製造業のH社も、まさにこのような悩みを抱える企業の一社だった。経理や事務の現場では、小口現金精算の手間やリスクを一刻も早く除去したいと願っていたものの、営業現場の利便性を考えると、なかなか業務改革に踏み出せずにいた。しかし、とある仕組みを導入することで、営業現場にもメリットを提供しつつ、小口現金精算を廃止して経費精算システムを導入することに成功したという。以降でその経緯や効果を、イラストや漫画を交えつつ紹介していこう。
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