次にデータセンターを刷新する際は、代替チップアーキテクチャを取り入れる必要がある。その理由について解説する。
リソースが動的に割り当てられるデータセンターアーキテクチャを想像してみてほしい。そのようなオーケストレーションが10年以内に現実になるかもしれない。
現在、サーバは大抵がIntel Xeonを搭載していて、汎用ワークロード向けに最適化されている。Gartnerがまとめた欧州の2014年4〜6月期のサーバ出荷統計によると、x86サーバの売り上げが12.7%増えた一方、RISC/Itanium搭載のUNIXサーバの売り上げは23.6%減った。「Xeon技術の開発スピードのおかげで、Xeonはどんな用途にも非常に優れている」とGartnerのアナリスト、エロル・レシット氏は解説する。
だが、未来のワークロードがどんな様相になるかは誰にも予測できない。Xeonの現状はいずれ、まだ性能が考慮されていない新しいワークロードによって揺さぶられるとレシット氏は予想する。
ここ数年の最大級の投資分野は低消費電力のサーバベースコンピューティング開発だった。ノートPC向けのAtomベースプロセッサやスマートフォンに採用されているARMプロセッサは、サーバ用のXeonプロセッサに比べて消費電力が大幅に低減されている。
Gartnerの予想では、2017年までにx86サーバ市場の4%は極端な低消費電力サーバにシフトする見通しだ。ただしARMやAtomを搭載したサーバは汎用マシンではなく、従ってXeonの代替としては使えない。
低消費電力サーバのアーキテクチャは、特定のワークロードで役に立つ。メモリ、演算性能、I/Oのバランスを取ることで、ビッグデータ、Web、スーパーコンピューティングといった演算的には単純なタスクに最適化させる。こうしたシステムではアプリケーションを個々のタスク用に分割でき、数百もの低消費電力プロセッサで構成される超並列ハードウェア上で同時に実行できる。
スーパーコンピュータの「Sequoia IBM Blue Gene/Q」(世界上位500台のランキングで3位の性能)のようなマシンでさえも、ベースとなっている演算性能は控えめだ。各ノードは1.6GHzで稼働する16コアのPowerPC A2プロセッサと16GバイトのDDR3メモリで構成される。結果的に、比較的少ない消費電力で高い性能を達成できる。
Hewlett-Packard(HP)のメグ・ウィットマン最高経営責任者(CEO)は、コモディティサーバ市場で差別化を図る存在として同社の低消費電力サーバ「Moonshot」に大きな期待を寄せる。MoonshotはIntel AtomとAMD Opteronシステムオンチップ(SoC)プロセッサを搭載し、デスクトップ仮想化とWebコンテンツ配信アプリケーションに最適化されている。同サーバはWindows Server 2012 R2やRed Hat Enterprise Linux、Ubuntu、SUSE Linuxに対応する。
一方、メーカー各社はARM64 SoC搭載のサーバも投入し始めている。そうしたサーバではARM専用の開発環境とLinuxディストリビューションが必要だ。ARM搭載サーバのソフトウェア標準化は主にLenaroが推進している。LinuxディストリビューションのUbuntuとRed Hat Enterprise LinuxはARMサーバアーキテクチャに対応している。
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AMDサーバ部門の製品マーケティング担当副社長、カール・フロイント氏は、ARMベースのアーキテクチャは多大な関心を集めているが、これは少なくとも半年先の技術だと指摘する。
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