テレワークの特効薬「デスクトップ丸ごと配信」「アプリだけ配信」の使い分けとはクラウドの活用がテレワーク導入のハードルを下げる

テレワークの実現には時間がかかる。テレワーク環境に適したクライアント環境の実現方法は1つではない。要件定義に悩んだとき、どうしたらよいだろうか。ユーザーの業務形態に合わせて柔軟に構築するポイントとは?

2016年02月05日 10時00分 公開
[ITmedia]

 場所や時間の制約を受けずに業務を遂行できるテレワークは、多くの企業が推進するワークスタイル変革の中でも、業務効率やモチベーション向上の効果が大いに期待できる手法の1つとして挙げられる。特に昨今は、リモートデスクトップサービス(RDS)や仮想デスクトップインフラ(VDI)をはじめとするクライアント仮想化技術とモバイルデバイスとの連係によって、手軽にオフィスツールや業務システムを扱えるようになった。本格的に検討している企業も増えているようだ。

 しかし、オンプレミスでテレワーク環境を構築しようとすると、サーバやストレージ、モバイルデバイスとの接続を担うネットワーク、外部からでも安全にアクセスさせるためのセキュリティなど、クリアしなければならない要素が幾つもある。非常に高額なシステムになりやすく、IT管理者にとっての運用管理負荷は高い。そこで現在は、IaaSやPaaSなどのパブリッククラウドサービスを活用し、リモート操作でデスクトップ環境を利用可能にする方法に注目する動きが広がりつつある。

 とはいえ、自社の業務が標準的なアプリしか利用していないのなら、RDSやVDIのように、クライアント端末にデスクトップ画面を丸ごと配信する必要がないケースもある。例えば、アプリケーションのみを配信するアプリケーション仮想化製品を利用すれば、必要な環境を整備できるからだ。

 1つの会社の中にも、営業、開発、総務といったさまざまな職種があり、働き方や働く場所は多様である。ユーザーの業務内容に適したテレワーク環境を構築する際、デスクトップを丸ごと配信する手段と、アプリケーションだけを配信する手段をどのように使い分けるべきだろうか。そして、それらの使い分けでコストはどう変わるのか。導入経験の乏しい状況では判断は難しい。どのような基準で選ぶとよいのだろうか。

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