資生堂の“全員マーケター”新分析システム、その“超高速”にユーザーが驚いた理由待ち時間が20〜30分から5秒に短縮、「とにかく速い」

日本を代表する化粧品メーカーである資生堂が販売・顧客分析システム基盤を刷新した。重視したのは処理の“速さ”。従来と比べて10倍以上の処理性能の向上を実現したシステム基盤とは?

2016年01月28日 10時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 資生堂は、1872年創業という長い歴史を持ち、国内外で高いシェアを誇る日本を代表する化粧品メーカーである。「美しい生活文化の創造」という企業理念の下、「自分らしく生きたいと願う人々の幸せの実現に貢献する」ため、持続的な企業価値の向上に努めている。

 同社は近年、海外での売上比率を高めており、さまざまな国・地域の生産から販売までを総合的に管理するシステム「B-NASS(ビーナス)」を構築、運用していた。しかし昨今、国内外のマーケットの激しい変化を先取りするため、より一層リアルタイムに正確な情報を取得し、的確な分析結果を現場へフィードバックする仕組みを必要としていた。

 「資生堂では、2014年に新しいビジョンとして『VISION 2020』を掲げ、グローバルな事業展開や人材を強化し、全社員が一丸となってマーケティングを実践することを目標の1つとして挙げています。この“全員マーケター”を実現するための仕組みとして、新しい情報分析基盤の構築が必要でした」。同社 情報企画部長の亀山 満氏は、こう述べる。

 「B-NASS」と呼ばれる新しい分析基盤では、5000人を超える社員が、さまざまな分析を必要なときに必要なだけ実行できる環境を整えるためのシステムの性能と安定性が非常に重要であった。本稿では“全員マーケター”を実現するB-NASSシステムの詳細をお伝えする。

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