効率的なインフラ構築に役立つ「ハイパーコンバージドインフラ」。導入の際には、データ保護に関して従来とは異なる工夫が必要になる。その内容を詳しく見ていこう。
「ハイパーコンバージドインフラ」は、サーバとストレージ、ネットワークの機能を同じ筐体に集約し、さらには仮想化ソフトウェアもあらかじめセットアップされた状態で提供するアプライアンス製品だ。比較的容易に仮想化基盤を構築して運用できることから、インフラ構築の新たな手段として注目する企業は少なくない。
これまでも「レファレンスアーキテクチャ」「コンバージドインフラ」など似たようなコンセプトの製品は数多く提供されてきた。ハイパーコンバージドインフラがユニークなのは、共有ストレージ装置を必要とせず、サーバノードの内蔵ディスクを分散ストレージソフトウェアで束ねることでストレージ機能を実現する点だ。これによりサーバ、共有ストレージ、ネットワーク機器の3階層で構成されていた旧来のインフラと比べ、機器をはるかにコンパクトに収められるようになった。
しかしそれ以上に特徴的なのが、CPUとシステムメモリ、ストレージリソースを内蔵するサーバノードを複数組み合わせてシステム全体を構成することでスケーラビリティを高めた点だ。システムのキャパシティーが足りなくなれば、サーバノードを追加するだけで性能や容量を向上できる。こうしたアーキテクチャの採用により、将来のシステム拡張を見込んだ入念なサイジングをせずとも、常にスケーラビリティを確保できるのである。
このように「いいことずくめ」のように見えるハイパーコンバージドインフラだが、実際に導入するとなると留意すべき点が幾つかある。その最たるものが、バックアップだ。共有ストレージが存在しないということは、ストレージ装置のスナップショットやレプリケーション機能を使ったバックアップ手法も使えない。では、どうすればよいのか。
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