VMwareを中心にプライベートクラウドを構成する多くの企業は、パブリッククラウドを活用したくても、構成や運用の変更に伴う検討事項が山積みだ。ハイブリッドクラウドの多過ぎる課題を解決するクラウドとは。
多くの企業システムにおいて、重要な役割を果たしているプライベートクラウド。これらのインフラがサポート切れやハードウェアリプレース時期を迎えると、移行先の候補に挙がってくるのがパブリッククラウドだ。「最終的にはデータセンターをなくしてしまいたい」という未来を描くものの、その過程で、オンプレミスとクラウドのインフラが併存するハイブリッドクラウドのアーキテクチャを必ず管理することになる。
プライベートクラウドの多くはVMwareで構築されているが、一般的なパブリッククラウドではオンプレミスと同様にVMware環境を構築することは難しく、パブリッククラウドへの移行では大きな設計変更が避けられない。またパブリッククラウドは基本的にはマルチテナント環境であること、インターネットへの接続ポイントがクラウド管理において必要であることなど、クリアしなければならない課題が多い。
IBMクラウド事業統括アーキテクト 平山 毅氏は、「IBM Cloud」であればこれらの課題を解決できるという。IBM Cloudとは、SaaS(Software as a Service)の「Watson」、PaaS(Platform as a Service)の「Bluemix」、IaaS(Infrastructure as a Service)の「SoftLayer」といったIBMの代表的なクラウドをまとめた総称だ。現在はそれらをBluemix中心のアーキテクチャに統合中であるという。
「IBMは、オープンなハイブリッドクラウド戦略を掲げています。これは、オンプレミスとクラウドをシームレスに接続するだけではなく、プライベートクラウドとパブリッククラウドの両方と互換性のあるオープンなアーキテクチャをIBMが提供することを意味します」と説明する。その実現のためにIBM Cloudは、IaaSのオープンソースである「OpenStack」とPaaSのオープンソースである「CloudFoundry」をプラットフォームの軸にしており、IBMはこの2つのオープンソースプロジェクトに大きく貢献し、開発をリードしている。
「オープンなハイブリッドクラウド戦略を維持する中、IBMが2016年2月からあえてVMwareをハイブリッドクラウドの中核に据えたのには技術的な理由があります」と平山氏は強調する。IBMは2016年時点のIaaS戦略において、「Blue Box」「Cloud Managed Services」(CMS)、SoftLayerと大きく3つの特徴的なパブリッククラウドサービスを提供しており、ユーザー企業の特性に応じて選択できるようラインアップをそろえている。VMwareの最新技術とIBM Cloudがどのように融合していくのか、詳しく見て行こう。
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