高齢者を含む一般消費者向け事業の成否は、いかに付加価値の高いサービスを提供できるかにかかっている。そのサービス基盤を効率よく整備する際に必要なことを考えていく。
スマートフォンやタブレット端末の普及や通信インフラの発達により、一般消費者向けWebサービスはここ5〜10年の間で急激な進化を遂げた。現在、さまざまな規模・業態の企業が、自社のWebサービスやアプリケーションのユーザーを少しでも多く獲得しようとしのぎを削っている。
一方、こうした動向とはほぼ無縁の消費者も存在する。シニア世代をはじめとしたIT技術に疎い層だ。現時点では身近にIT技術がない環境にいる可能性が高いが、何かのきっかけで興味を持った場合は、ITサービスの熱烈なファンにもなり得る。高い購買力を持つ層であるにもかかわらず、いまだに市場が開拓途上にあるため、企業にとっては大きなビジネスチャンスが広がっている。
また社会貢献という意味でも、これから本格的な高齢化社会を迎える日本において、「シニア層向けのサービスをいかに充実させるか」は大きな問題だ。これを解決する上でも、シニア層を中心としたITスキルが高くない層へのITサービスの提供は重要な位置を占めているといえよう。
しかし、こうしたサービスのアイデアをせっかく持っていても、その開発に多額のコストや長い期間を要するためにビジネス上の成果が上がらない、あるいはサービス参入に二の足を踏む企業が多いと聞く。そんな中、シニア向け、家庭向け、地域密着型のITサービスを極めて低コスト・短期間のうちに立ち上げられる環境も登場している。以降ではこうした環境の活用方法を見ていく。
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