世界最大の航空会社、アメリカン航空はWebサイト刷新プロジェクトを実施した。成功の鍵は、拡張性に優れ堅牢なクラウド基盤と、組織変革を支援する開発手法にあった。
世界最大の航空会社、American Airlines(アメリカン航空)。350カ所を超える就航地を結んで1日平均6700便もの飛行機を運行する同社にとって、航空券の予約やチェックインなどさまざまな処理をするWebサイトは、ビジネスの中核を成す重要な役割を担っている。
そんな同社は2017年7月、IBMの協力を得てWebサイトを刷新し、独立性の高い小規模なサービスを組み合わせるマイクロサービスアーキテクチャに基づいたクラウドネイティブなサービスに変更するとともに、オンプレミスシステムから、「IBM Bluemix」を活用したクラウド基盤への移行を開始した。狙いは、顧客によりよい体験を提供すること。そしてその実現に必要なアプリケーションの拡張・改良をより迅速にできる環境を整えることだ。
一連のプロジェクトに携わったIBMの技術理事でCTO Cloud Architecture クラウド・ラボ・サービスのカイル・ブラウン氏によると、この刷新が成功裏に進んだ背景には幾つかの要因がある。堅牢(けんろう)でスケーラブルかつセキュアなパブリッククラウドやそれを活用するツール類といった、技術による確かな裏打ちはもちろんだが、IBMが推進するサービス開発の方法論「IBM Cloud Garage Method」による組織とプロセス、文化の変革が重要なドライバーとなった。そして何より、「ソフトウェアを自社の武器と捉え、迅速に開発しよう」という考え方が革新を推進した。次のページで詳しく説明しよう。
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