電子サインによる新たな顧客体験の創造と、パーソルグループの実践記本気のデジタル変革による多様な働き方の実現

顧客との契約書類にはさまざまな法令が関係しており、その複雑さから電子化は進んでいなかった。しかし新たな顧客体験と共に前に踏み出せば、複雑さは一掃、効果は絶大だ。

2017年10月24日 10時00分 公開
[ITmedia]

 今日、デジタルテクノロジーと新たな発想を武器に急速に台頭する「ディスラプター(破壊者)」と呼ばれる新興企業があらゆる市場でシェアを伸ばしている。こうした中、既存企業は現在のビジネスモデルに拘泥することなく、デジタルテクノロジーによってビジネスモデルを大胆に変換(トランスフォーメーション)することが求められている。このデジタルトランスフォーメーションを語る際には、ビッグデータやAIといった最先端技術を用いた取り組みが取り沙汰されることが多いが、実はもっと身近なところにも変革の芽は存在する。紙文書の電子化、いわゆる「ペーパーレス」だ。

 ペーパーレスの効果や必要性はかなり以前から叫ばれてきたものの、実際に企業が本格的に紙文書の見直しに着手し始めたのは、関連法令の整備が進み始めたここ5年ほどのことだ。しかしIDCの調査(※)によれば、企業のビジネスプロセスのうち、いまだに80%が紙の書類に依存しているという。紙書類への依存は、生産性向上の足を引っ張りやすい。現物を手元に置いた作業が前提になるため、業務に時間と場所の制約をもたらしてしまうからだ。また、文書の送付や保管、印紙税などにコストがかかる上、紛失や改ざんによるコンプライアンスの問題も常に付いて回る。

 これだけITが発達し、関連法令も紙文書の電子化を認める方向に傾きつつあるにもかかわらず、企業から紙の文書がなかなか減らない理由は一体何なのだろうか? その理由を解き明かすことで、企業がこれからデジタルトランスフォーメーションを進めていく上でのキーファクターが浮かび上がってくる。本稿では大手総合人材サービス企業グループのパーソルグループが取り組んだペーパーレス化と新たな顧客体験の提供について紹介しよう。

※:IDC InfoBrief, sponsored by Adobe, April 2016

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