脱クラウドでもクラウド依存でもない選択肢「ハイブリッドIT」、その課題は適材適所でインフラを使い分け

ITインフラはクラウドが全てでも、オンプレミスが全てでもない。両者を巧みに生かす「ハイブリッドIT」が現実解だが、実現には課題も少なくない。解決の鍵はサーバにある。

2018年04月16日 10時00分 公開
[ITmedia]

 企業システムのインフラには、クラウドとオンプレミスを適材適所で活用することが重要になりつつある。それは単に既存のシステムをクラウドへ移行し、社内ポリシーで移行ができないものはオンプレミスのまま運用するという、従来の「ハイブリッドクラウド」のことではない。

 昨今では、クラウドでスピーディーに稼働させた新規システムを、安定運用後にオンプレミスへ“戻す”考え方も現れ始めている。長期にわたって運用するシステムや、特殊な性能や機能が求められるシステムは、クラウドよりも構成の自由度が高いオンプレミスの方が適切な場合もある。クラウドのメリットを否定しているわけではなく、単に用途に応じて適切な手段を活用すべき、ということだ。

 クラウドだけ、オンプレミスだけという硬直的な考え方は、必ずしも企業にメリットをもたらさない可能性がある。クラウドとオンプレミスをバランスよく活用し、双方のメリットを取り入れて、適材適所を実現する「ハイブリッドIT」こそが、現代の企業ITにとって必要な考え方だといえる。

 ハイブリッドITを目指すにしても、企業が直面する課題は少なくない。オンプレミスの場合はサーバの構築が不可欠だが、コモディティ化されたサーバ1つをとっても、用途に応じた最適な製品を選ばなければならない。今なお巧妙化を続けるセキュリティ脅威に、どう対処するのかも課題だ。ハイブリッドITの実現を阻むハードルとは何か。その有力な解決策となり得る、単なるx86サーバの枠を超える可能性を秘めた新たなサーバの具体像とは。次のページで詳しく説明する。

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