デジタル変革で守勢に立たされていた既存企業に反撃のチャンス到来だ。顧客データやブランドといった“宝物”をAPIで公開することで、新しい価値を創造できるはずだ。
企業を取り巻くデジタルトランスフォーメーション(DX)に変化が起きている。DXという言葉が浮上した当初は、その破壊的な力が強調されることが多かった。新興企業がITを武器に既存企業のシェアを奪い、一夜にして市場を激変させるというのが典型的なストーリーで、企業はこの動きにどう備えるべきかという守りの観点で語られることが一般的だった。
しかし今、既存企業は自社にも立派な「宝物」があることに気付き始めている。長年にわたり築き上げてきた顧客との信頼関係やブランドといった無形の財産、購買データなどだ。これらを武器にすれば、動きの速いスタートアップに肩を並べるだけでなく、主導権を握ることもできるはずだ。
ただし、こうしたデータは、さまざまなシステムや場所に分散していることが多い。従って顧客からのニーズに応じてこれらを統合し、柔軟に提供できる仕組みを整えて初めて、「攻め」のDXが可能になる。この鍵こそ「API」だ。
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