Excel依存からの脱却は多くの企業の共通課題。分析業務を効率化し、意思決定のスピードを上げるために、どんな方法があるのだろうか。
「脱Excel」は多くの企業に共通した願いだが、現実的にはなかなか難しい。特に経営分析における「Microsoft Excel」(以下、Excel)依存度は今なお高い。
Excelはユーザーの自由度が高いアプリケーションであり、ボトムアップで予算編成をすることの多い日本企業にとって「データを集めるためのテンプレート」を簡単に作れる強力な武器だ。しかしその半面、Excel依存がもたらす弊害も目立つようになっている。
Excelのデメリットは、共有を前提に設計されておらず、履歴も残せないことだ。例えばExcelでテンプレートになるファイルを作って社内の各部門に配布すると、勝手に列を追加したりセルの結合をしたりと、配布先の担当者が勝手なカスタマイズをしてしまいがちだ。そのため「配布したファイルを戻してもらってもデータの集約がままならない」といったことになり得る。組織内の多くの人が同じ類いの作業を繰り返すことになってしまい、生産性だけでなくデータの精度も低下してしまう。
そうした状況の中、セルフサービスBI(Business Intelligence)を中心に「データの可視化」「アナリティクスの民主化」を目的とした分析ツール導入の機運が高まっているのはご承知の通りだ。ところが、せっかくBIを導入している企業でも、財務や収益予測などシミュレーションが必要な局面では、データをエクスポートしてExcelで分析するというケースが圧倒的に多いという。
なぜそうなってしまうのか。どうすればExcelを使わずに分析業務を効率化できるのか。次のページで解説しよう。
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