年間最大で12兆円の経済損失といわれる「2025年の崖」問題 解決する手段は?アプリモダナイゼーション実現は不可欠

変化の激しい市場において、企業が成長し競争力を強化していくためには、クラウドを活用した「アプリケーションのモダン化」が不可欠だ。そのために企業は何をすべきだろうか。

2019年03月28日 10時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 多くの企業経営者は、今後の成長や競争力の強化のためにデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの構築、つまり「デジタルトランスフォーメーション」(DX)の実現が必要なことを理解している。しかし、これまで部分最適で構築されてきた既存システムが老朽化、複雑化、ブラックボックス化する中では、たとえ新しいデジタル技術を導入しても効果は半減してしまう。

 既存システムの維持管理に人材や投資が集中してしまい、DXに投資することができないといった課題もある。経済産業省所管の「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」が2018年9月に発表した「DXレポート 〜ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開〜」は、これらの課題が克服できない場合、2025年以降、年間最大で12兆円の経済損失が生じる可能性があると報告している。同研究会はこれを「2025年の崖」と呼び、問題視している。

 2025年の崖を克服するためには、ITシステムを迅速に開発する「スピード」と容易にシステムの変更や保守が可能な「柔軟性」が必要だ。そのためにはアプリケーションのモダン化(アプリケーションモダナイゼーション)が鍵となる。

 アプリケーションモダナイゼーションを実現するためのアプローチの一つが「クラウドネイティブコンピューティング」だ。クラウドネイティブコンピューティングは、基盤だけでなくアプリケーションも含めたITシステム全体を最適化する技術トレンドである。

 次のページではクラウドネイティブコンピューティングの実現方法について解説する。


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