クラウド活用が一般化しつつあり、「自社もクラウドに」と基幹システムの移行を考える企業は少なくないだろう。だが特に「SAP ERP」や「Oracle EBS」を利用する企業は注意が必要だ。それはなぜか。
経済産業省が2018年9月に公開した「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会の報告書」で報告された、いわゆる「2025年の崖」が話題になっている。
企業が今後の成長や競争力の強化にデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルを創出するデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組まなかった場合、2025年以降、年間最大で12兆円の経済損失が生じる可能性があるという内容だ。実はこれとは別の「崖」に直面している企業がある。それは現在「SAP ERP」を利用している企業だ。
SAP ERPの保守サポートが2025年に終了することから、次世代製品の「SAP S/4HANA」に移行する必要がある。SAP S/4HANAは単なるバージョンアップではなく、インメモリデータベース「SAP HANA」をベースにアーキテクチャを見直したものだ。当然データベースはSAP HANAを利用しなければならないため、バージョンアップ作業の他、データベースの移行も必要だ。この課題をどう克服するか。
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