LinkedInは、AIの影響で2030年までに職業スキルの70%が変化すると予測するレポートを発表した。同社は、採用で注目される15のスキルについても公表した。
多くの職業で使われているスキルの70%は、2030年までに変化する――。こうした予測を掲げる調査レポート「Work Change Report: AI is Coming to Work」を2025年1月、LinkedInが公開した。同年3月には、企業が採用時に注目する15のスキルを紹介する「LinkedIn Skills on the Rise 2025:The 15 fastest-growing skills in the U.S.」も発表した。
15のスキルのうち、2つは人工知能(AI)に関連するもの。一方、技術とは関係のないスキルが5つ紹介されている。
AI技術やアプリケーションを批判的かつ生産的に理解、開発、活用する上で、AIリテラシーは重要なスキルだ。企業が業務全体にAIを組み込み始め、データ分析、カスタマーサポートの自動化、コンテンツ生成など、AIから価値を引き出す新しい方法を模索している。この状況で、AIリテラシーを持つ人材の価値は増大する可能性がある。
会議での意見の対立、緊張の高まりを緩和し、チームを柔軟にリードするスキルだ。出社方針の賛否や世代の異なるチーム運営など、経営陣と従業員、チーム間で緊張が高まることがある。こうした摩擦を和らげ、道筋を見つけられる人材の需要は高まると見られている。
新しい状況に柔軟に対応できる適応力は、従来から重視されてきたスキルだ。AIの導入や働き方の多様化など、めまぐるしく変化する職場環境で、適応力への関心はふたたび高まるっている。
単純作業を自動化する動きが広がる中、従業員の創造力で新たな価値を生み出す革新的思考の価値はさらに高まるとLinkedInは分析している。革新的思考は、企業が市場で優位を得る上でも重要な要素だ。
AIアプリケーションの進展は職場環境に変化をもたらしている。大規模言語モデル(LLM)の開発や応用に携わるスキルを持つ人材は、将来のAIの活用方法を形作る存在となる。そのため、主要な採用対象となり得るとLinkedInは指摘する。
AIツールを使った業務の自動化が社会で広がりを見せる中、どのようなスキルを身に付け、どのようなキャリアを積んでいけばよいのか。一部の専門家は、「AI自体の専門家になる」か「人間的なスキルセットで差別化を図る」か、2つの選択肢があると指摘している。
「人間の優位性は、批判的思考力、効果的なコラボレーション能力、共感力に起因する」。オンライン研修ベンダーSkillsoftのシアラ・ハリントン氏(チーフピープルオフィサー:CPO)はこう述べている。「AIをパフォーマンス管理に組み込む中で、公正さと一貫性を確保するためには人間の判断が中心的役割を果たす必要があることが分かってきた」(同氏)
「特定のソフトスキルに対する関心が高まっていることは、AIを使った業務の自動化に対する自然な反応だ」と指摘する専門家もいる。ある専門家によると、採用担当者は、顧客との関係構築、人間らしさ、創造的な独創性などAIが代替しにくいスキルを従業員に求めている。これに加え、適応力、問題解決力、回復力といった関連スキルの価値も高まりつつあるという。AIの変化に対応しながら進化できる従業員が重宝される傾向にある。
顧客対応や対立するチームメンバーの調整スキルは、定量的に計測しにくく、履歴書に書くのも難しい。過去の役職でどのようにそのスキルを生かしたかを説明するにはどのような方法があるのか。人事調査コンサルティング企業McLean & Companyのファラン・ミッチェル氏(プロダクトマネージャー)は、「SARフレームワーク」の利用を勧める。SARフレームワークは、「Situation」(状況)、「Action」(行動)、「Result」(結果)の情報を基に「抽象的な資質を成果につながる具体的な物語に変える」ための枠組みだ。
一方、面接時のふるまいから、対人関係構築力、創造性、共感力といったソフトスキルを示すことは可能だ。面接では、自身の情報を伝えるだけでなく、その態度や振る舞いが職場での働き方を示すことを意識するとよい。
ソーシャルメディアを使って個人のブランドを構築するのも1つの手だ。発信するメッセージを通じて、自分はどのような人物なのか、得意分野は何か、自分が望む内容で示すことができる。ソーシャルメディアのコンテンツが、面接や内定のきっかけにもなる場合もある。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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