フラッシュストレージ導入は2割弱だがクラウドに続く高い関心度企業のストレージ利用状況に関する調査レポート

TechTargetジャパン会員を対象に、「企業のストレージ利用状況に関する読者調査」を実施した。本レポートでは、特にフラッシュストレージの状況についてその概要をまとめた。

2016年11月01日 10時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 TechTargetジャパンは2016年7月25日から8月26日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「企業のストレージ利用状況に関する読者調査」を実施した。企業のストレージ製品、特にSSDなどのフラッシュストレージ導入に関与する会員を対象に調査。その結果からは、企業が導入しているストレージ製品の現状とフラッシュストレージの導入意欲と理由、そしてフラッシュストレージの導入で発生する問題点などが明らかになった。本稿では、その一部を紹介する(全ての結果を記載したレポートは、文末のリンクから会員限定で閲覧可能)。

調査概要

目的:TechTargetジャパン会員を対象に、ストレージの利用状況について調査するため。方法:Webによるアンケート

調査対象:TechTargetジャパン会員

調査期間:2016年7月25日(月)〜8月26日(金)

総回答数:306件

※ 回答の比率(%)は小数点第1位または第2位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。


ストレージ環境の導入・検討状況

 現在、企業が採用しているストレージ製品を確認したところ、「NAS」が69%と他を大きく引き離してトップとなった。以下、「テープ」(33.7%)、「クラウドストレージ」(33.0%)と続く。一方で、SSDなどのフラッシュストレージを導入済みと答えた割合は18.6%にとどまった。フラッシュストレージにおけるメリットの認知向上、コストや信頼性に関する問題が解消するなど、オールフラッシュ導入の訴求は高まる一方だが、実際の導入はまだ進んでいないようだ。

 しかし、今後導入を検討しているストレージ製品の回答では、トップの「クラウドストレージ」(23.5%)に続いて、フラッシュストレージが22.5%と、多くの企業で関心を寄せている状況が明らかになった。自由回答でも「クラウドへの移行は今後検討が必要で、こちらが主流になるかもしれない」「データ量が自然的に増加しているのでスピード、容量、安定性 は重要な要素となります」という意見があった。

ストレージ環境の導入・検討状況《クリックで拡大》

フラッシュストレージ環境の導入/更新における問題点

 フラッシュストレージの導入や更新では、どのような問題が挙がっているのか。アンケートの結果によると、「導入コストが高い」(34.6%)、「耐久性に不安がある」(24.5%)といった項目が依然として高く、この2つの要因だけで有効回答の6割弱を占めている。ただ、先にも述べたように、この阻害要因はSSDが登場した当初に問題となっていたもので、現在は改善が進んでいる。この認知が広がれば認識が変わるだろう。しかし、その後に続く「導入したときの効果について評価予測が難しい」(10.1%)、「どこに導入すれば効果があるのか分からない」(8.5%)の要因については、SSDに限らず社内システムの導入や更新において以前からある根深い問題で、認識を変えるのは容易ではないだろう。

フラッシュストレージ環境の導入/更新における問題点《クリックで拡大》

 その他、回答者の詳細な属性、フラッシュストレージに期待することや実際に導入して起きている問題点など、本稿で紹介できなかった内容も含めた調査レポートの完全版を提供している。以下から詳細なアンケート結果が無料ダウンロードできるので、ぜひ確認していただきたい(TechTargetジャパン会員限定)。