2017年03月01日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品ガイドNFVが通信事業者のWANインフラ経費削減を支援

通信事業者はネットワーク機能仮想化を通じてサービスの最適化を行っている。

[Bernt Ostergaard,Computer Weekly]
Computer Weekly

 ネットワーク仮想化(NFV)やソフトウェア定義ネットワーク(SDN)は、仮想化、コモディティ化へと向かう通信事業者の広域ネットワーク(WAN)拡大トレンドの一端を担う。NFVは主に、WANインフラプロバイダー(ここでは通信事業者と呼ぶ)が運営するネットワークサービス最適化に重点を置く。一方、SDNではネットワークを一元的に見るためにコントロール面と転送面の切り離しを目指す。

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 通信事業者によるNFVの採用が進んだ要因は、クラウドコンピューティングの普及によるインフラコストの増大とネットワーク利用の変化だった。GoogleやSkypeなどのインターネットコンテンツプロバイダーは、従来の通信サービスよりもはるかに速いペースで新しい音声やビデオサービス、コンテンツをユーザーに提供しており、クラウドサービスの台頭でWANトラフィックの負荷が増大した。通信事業者がこれに追い付かなければダウンする。

思考の変化

 NFVはWANプロバイダーの思考を根本的に変化させた。顧客の構内機器からネットワークアクセスに至るまで、サービスエッジを横断し、中核にあるWANを突き抜けて全てのWAN要素に対応する。通信事業者は特定のパフォーマンス指標を満たすためコストを問わず、インフラを進化させるよりも事業価値に照らして投資の優先順位と運用コストの正当性を実証することを迫られる。

 結果的に、多くの通信事業者が新サービスと機能の実装を加速させる必要性を認識している。だが専用のハードウェアプラットフォームでそれをやろうとすれば時間がかかり過ぎ、オフィス内のラックスペースも過剰に占領されてエネルギー効率も悪く、コストが過剰に増大する。

 この新しい考え方が、プロプライエタリなハードウェアのパフォーマンス機能から、標準化されたハードウェア上のオープンスタンダードソフトウェアへと重点をシフトさせた。影響を受けるハードウェアは広範に及び、ルーター、ファイアウォール、ゲートウェイ、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)、セッションボーダーコントローラー、ネットワークアドレス変換、WANアクセラレータ、サービス品質テストツール、無線ネットワークコントローラーを網羅する。

 クラウド自動化やSDNのプログラマブル性と併せ、NFVではそうしたデバイスの全ての機能を標準の大容量サーバやストレージ、スイッチに移転させ、独立系ソフトウェアサプライヤーのソフトウェアを使うことを目指す。

一貫性の高いアプローチ

 NFVが浮上したのは、WAN運営者が標準化されたIT仮想化技術の導入を試みたものの、従来のネットワークインフラサプライヤーに直面してもっと一貫性の高いアプローチが必要だと判断したことによる。

 そこで2012年12月に通信大手7社(AT&T、BT、Deutsche Telekom、Orange、Telecom Italia、Telefonica、Verizon)が結束し、欧州電気通信標準化機構(ETSI)の下にNFV ISG(industry specification group)を創設した。

 以来、NFV ISGには他の通信事業者30社と250社のWANハードウェアおよびソフトウェアサプライヤー、通信研究機関が加わった。ETSI NFV ISGの創設は2013年、NFVの基本要件とアーキテクチャの確立に結びついた。

 通信事業者がNFVへ移行することで得られる成果を以下に挙げる。

  • サプライヤーの囲い込みを避けることによるハードウェアコストの削減
  • ソフトウェアのアップグレードとアドオンによるハードウェアプラットフォームの寿命延長と機能拡張
  • パフォーマンス管理機能の大幅な範囲拡大
  • 有望なプロバイダー、特にITおよびDevOps環境を起点として価格とパフォーマンスの両面で確立された大手と競争する小規模サプライヤーの増大
  • 開発、テスト、実装が運用インフラで可能なDevOps環境へのインフラの順応

 NFVへの移行を計画する際に採用できる唯一の標準や、一貫したハードウェアアーキテクチャは存在しない。従ってNFVの製品導入ガイドは製品レビューであると同時に実装に向けたガイドとなる。

NFVリリース2

 2015年に登場した「ETSI NFV ISG Release 2」(以下NFV Release 2)は、

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